顧客管理アプリは、パソコンやスマートフォンから顧客情報の一元管理を行うためのツールです。
EightとHubSpotで実現する顧客関係管理のオンラインシフトについて詳しく紹介!
管理業務の効率化や顧客情報に基づく効果的な営業・マーケティング活動、パーソナライズされたカスタマーサービス・サイト構築などに役立ちます。
顧客管理アプリは種類が多いため、それぞれの特徴や強みを理解し、選ぶ際のポイントを知ったうえで自社に適したものを選びましょう。
本記事では、顧客管理アプリのおすすめ21選を、無料・有料と目的別に紹介します。自社に合ったアプリの選び方も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
なお、サービスや価格に関する情報は、2023年12月時点のものです。
顧客管理アプリとは、顧客情報を管理するためのWebアプリケーションやスマートフォンアプリです。管理する情報は、顧客のプロフィールや購買履歴、コンタクト履歴など多岐にわたります。
顧客管理アプリで一元管理された情報は、営業・マーケティング・カスタマーサービスなど、顧客と接点がある部門で横断的に活用できます。
顧客情報をもとに個々のニーズに合わせた解決策やサービスを提供することで、満足度向上や業務効率化、管理コストの削減が期待できるでしょう。
このような、「顧客情報を管理・活用する手法」を「CRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理)」と呼び、企業と顧客との持続的かつ良好な関係構築に役立ちます。
顧客管理アプリには、主に次のような機能があります。
Excelやスプレッドシートで顧客管理を行う方法に比べて、情報が増えても管理しやすいというメリットもあります。
顧客管理アプリは、利用形態や目的で分類できます。
ここでは、顧客管理アプリの種類について、利用形態で分類した3種類と、業種・職種で分類した5種類をそれぞれ解説します。
顧客管理アプリを利用形態で分類すると、大きく次の3つになります。
クラウド型は、サービスやアプリケーションがオンライン上のサーバーで提供される形態です。ユーザーは専用のハードウェアやソフトウェアを購入する必要がなく、インターネット経由で場所や時間を選ばずアクセス可能です。
オンプレミス型は、自社で必要なハードウェアやソフトウェアなどを所有し、システムを稼働させる形態です。セキュリティ対策やデータ管理を社内で行うため、データの機密性が求められる場合に適しています。
ダウンロード型は、ソフトウェアやアプリケーションをインターネット経由でユーザーのデバイスにダウンロードして利用する形態です。オフラインでも利用可能で、ダウンロード完了後は通信環境に依存せずに利用できます。
業種や目的で顧客管理アプリを分類すると、次の5つになります。
営業向けの顧客管理アプリは、見込み客や顧客の情報管理を行い、営業活動を支援するものです。見込み客の行動データ追跡、商談の進捗管理、タスクのスケジューリングなどが可能です。
マーケティング向けの顧客管理アプリでは、効果的なキャンペーンの実施や見込み客創出に役立つ機能が提供されています。具体的には、見込み客の行動分析や自動セグメンテーション、メールマーケティング機能などがあります。
カスタマーサービス・コールセンター向けの顧客管理アプリは、顧客の問い合わせやサポートに関する情報を一元管理し、迅速な対応を可能にするアプリです。主な機能は、問い合わせ管理や、問題解決までの追跡(トラッキング)などです。
ECサイト向けの顧客管理アプリは、オンライン販売における顧客情報や購買履歴を管理し、セールスやプロモーションの効果の分析・改善に役立てるものです。受注管理や注文処理の機能を備えている場合もあります。
実店舗向けの顧客管理アプリは、顧客の来店履歴や購買パターンを追跡し、店舗運営を最適化するためのアプリです。POS(販売時点情報管理)システムとの統合や、顧客応対履歴の管理が可能です。
ここからは、顧客管理アプリを全21種類ご紹介します。
まずは、顧客管理に役立つ無料の2つのWebアプリケーションについて、サービス概要や主な機能、おすすめのポイントを確認していきましょう。
なお、サービスや価格に関する情報は、2023年12月時点のものです。
HubSpotが提供するHubSpot CRMは、クラウド型のCRM(顧客関係管理)プラットフォームです。見込み客や顧客情報の一元管理が可能で、データを営業とマーケティングで共有するなど、顧客管理アプリとしても活用できます。
CRMの基本機能は無料で利用でき、HubSpotが提供する次の5つの製品群と連携可能です。
顧客管理アプリ単体としても機能しますが、特に営業・マーケティング課題を総合的に解決したい場合におすすめです。
【主な機能】
公式サイト:HubSpot CRM
Fullfreeは、ダウンロード型の顧客管理ソフトです。カスタマイズやクラウド共有にも対応しています。
最大3,000件のレコード(顧客情報)管理が可能で、自社独自の顧客管理や会員管理システムを作成できます。
無料版のほか、上位版のFullfree PRO(有料)もあります。
【主な機能】
公式サイト:Fullfree
ここでは、有料の顧客管理アプリを目的別に分類して15種類紹介します。
まずは、営業向け顧客管理アプリを4種類紹介します。
HubSpotが提供するSales Hubは、営業活動の業務を効率的に支援するプラットフォームです。無料のHubSpot CRMと連携することで、営業部門における顧客管理アプリとしても活用可能です。
顧客情報をもとにした見込み客や顧客との円滑なコミュニケーションを支援します。営業プロセスの合理化に役立ち、生産性向上や売上増加も期待できます。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:Sales Hub
SalesforceのSales Cloudは、営業プロセスを効率的に管理する営業支援システムです。見込み客(リード)管理や取引追跡機能、カスタマイズ可能なダッシュボードなどが提供されており、営業向け顧客管理アプリとして活用できます。
ただし、HubSpot CRMのようにツール単体での利用はできず、Sales Cloudの一機能として提供されているため、Sales Cloudへの加入が必須となります。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:Sales Cloud
出典:eセールスマネージャーRemix|ソフトブレーン株式会社
ソフトブレーン株式会社が提供する「eセールスマネージャーRemix」は、営業部門をはじめ、組織全体で利用可能なCRM(顧客関係管理)・SFA(営業支援)ツールです。
柔軟なカスタマイズ性と使いやすさに定評があり、モバイルに対応しているため外出先でも利用できます。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:eセールスマネージャー
Zoho CRMは、米ZOHOが提供する営業向け顧客管理アプリです。AI機能による予測分析や、豊富な連携オプションが利用できます。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:Zoho CRM
続いて、マーケティング向け顧客管理アプリを3種類ご紹介します。
Marketing Hubは、HubSpotが提供するマーケティングソフトウェアです。マーケティング業務における「コンタクト管理」や「Eメールマーケティング」など、顧客管理アプリとして活用できる機能が多く搭載されています。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:Marketing Hub
Salesforceが提供するMarketing Cloudは、マーケティングの自動化と分析のためのソフトウェアです。顧客情報に基づくセグメント分けや分析など、顧客管理アプリとして活用できる機能も多くあります。
【主な機能】
【料金プラン】
要問合せ
公式サイト:Marketing Cloud
出典:カスタマーリングス|株式会社プラスアルファ・コンサルティング
カスタマーリングスは、株式会社プラスアルファ・コンサルティングが運営するマーケティング向け顧客管理アプリです。使いやすいUI(ユーザーインターフェース)と、リアルタイムでの顧客データ分析により、マーケティングの最適化を図れます。
【主な機能】
【料金プラン】
要問合せ
公式サイト:カスタマーリングス
見込み客や顧客からの問い合わせを受け付けるカスタマーサービスやコールセンターでは、顧客情報の適切な管理がサービス品質向上に役立ちます。
ここでは、カスタマーサービス・コールセンター向け顧客管理アプリを5つご紹介します。
HubSpotのService Hubは、顧客との関係を強化し、チーム連携を促進して効率を向上させるカスタマーサービスソフトウェアです。
無料のCRM機能と連携することで、カスタマーサービス・コールセンターでの顧客管理アプリとして利用できます。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:Service Hub
Service Cloudは、カスタマーサービス・コールセンター向けプラットフォームです。Salesforceの総合CRMプラットフォーム「Customer 360」を基盤としており、効率的な顧客対応が可能です。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:Service Cloud
出典:Zendesk for service|Zendesk
Zendesk for Serviceは、米Zendeskが提供するカスタマーサービス・コールセンター向けの顧客管理アプリです。世界中で10万社以上が導入し、国内事例も多くあります。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:Zendesk
出典:楽テル|株式会社ラクス
楽テル は、株式会社ラクスが提供するコールセンター・ヘルプデスク向けのクラウド型CRMシステムです。コールセンター業務に特化しており、顧客管理アプリとして充実した機能が搭載されています。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:楽テル
FastHelp5は、テクマトリックス株式会社が提供するコンタクトセンター向けCRMシステムです。電話・メール・Web・SNSなど多岐にわたるチャネルに対応しており、顧客管理アプリとして機能します。
【主な機能】
【料金プラン】
要問合せ
公式サイト:FastHelp5
ECサイトでは、顧客情報や購買履歴を一元管理することで、サービスのパーソナライズが可能になります。
ここでは、ECサイト向け顧客管理アプリをご紹介します。
SalesforceのCommerce Cloudは、クラウド型のコマースプラットフォームです。Salesforce CRMと統合することで、ECサイト向けの顧客管理アプリとして、商品管理や効果的なキャンペーン展開が可能です。
【主な機能】
【料金プラン】
要問合せ
公式サイト:Commerce Cloud
顧客情報や購買履歴のデジタル管理は、実店舗での営業戦略・マーケティング戦略の立案にも活用できます。ここでは、実店舗で役立つ顧客管理アプリを見ていきましょう。
弥生株式会社が提供する「やよいの顧客管理24+クラウド」は、効率的な顧客情報管理を可能にする顧客管理業務ソフトです。顧客情報や購買データを効果的に管理できるため、実店舗での顧客接点の強化に役立ちます。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:やよいの顧客管理 24 +クラウド
ここでは、スマートフォンで利用できるおすすめの顧客管理アプリを3つご紹介します。
出典:tol|アポロ株式会社
アポロ株式会社が提供する「tol(トル)」は、スマートフォン向けの予約管理アプリです。無料ダウンロードしてカスタマイズする形式のスマホアプリとなっており、顧客情報管理や予定管理を効率化できます。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:tol
Eightは、Sansan株式会社が提供する無料の名刺交換アプリです。ビジネスカードのデジタル管理や、顧客情報の一元管理など、営業担当者向けの顧客管理アプリとして活用の幅が広いスマホアプリです。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:Eight
「管理簿 - 顧客ノート」は、接客・サービス業向け顧客管理・売上管理アプリです。主に、個人事業主やフリーランサー向けに開発されており、顧客の基本情報や取引履歴を簡単に記録できます。
個人が開発・提供しているアプリのため、予告なくサービスが終了する可能性がある点に注意が必要です。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:管理簿 - 顧客ノート|App Store
顧客管理アプリを自社で独自に開発したい方向けに、開発から可能な顧客管理アプリを2種類ご紹介します。
株式会社ヤプリが提供するYappli CRMは、コーディング不要で顧客管理アプリをカスタマイズできるサービスです。顧客情報の入力や取引履歴の管理など詳細を設定することで、独自の顧客データ管理が可能です。
【主な機能】
【料金プラン】
要問合せ
公式サイト:Yappli CRM
Limeは、LiME株式会社が提供するクラウド型の美容室カルテ・予約管理アプリです。美容室での顧客管理に必要な機能がそろっており、自店のニーズに合わせてカスタマイズできます。
【主な機能】
【料金プラン】
公式サイト:LiME
多数の顧客管理アプリのなかから、自社に適したものを見つけるためには、次の5つのポイントを考慮したうえで選定すると良いでしょう。
顧客管理アプリごとにさまざまな機能が提供されているため、自社のニーズに沿った機能が備わっているかどうかを確認することが重要です。
例えば、営業プロセスの効率化や見込み客情報の管理に課題を抱えている場合は、営業活動に特化した顧客管理アプリを選び、顧客ごとのキャンペーン管理を強化したい場合はマーケティングに特化したアプリを選ぶと良いでしょう。
顧客管理アプリの機能が豊富であっても、使い勝手が悪ければ、スムーズな業務遂行が難しくなります。アプリのUI/UXやサポート体制など、トータルの使いやすさも確認しましょう。トライアル版がある場合は実際に使用してみることで、使いやすさを判断しやすくなります。
顧客管理アプリの価格帯は幅広く、利用料金・初期費用・カスタマイズ費用など、さまざまな要素を考慮する必要があります。
コストを抑えて顧客管理アプリを導入したい場合は、無料アプリや無料プランがあるツールをおすすめします。無料プランはずっと無料で使用できますが、「無料トライアル」の場合は一定期間を過ぎると有料プランの契約が必要になるため、有料プランの料金を事前に確認しておきましょう。
将来的にビジネスの形態や市場が変化した場合を想定して、業務フローの変更や新しい機能の追加が簡単にできるかどうかも確認しておくことをおすすめします。
既存のツールや基幹システムを導入している場合は、連携に対応しているツールを選ぶ必要があります。
顧客管理アプリを導入した際に、万が一に問題が発生した場合は、迅速な対応が求められます。そのため、テクニカルサポートやマニュアルの質、利用者コミュニティの有無などのサポート体制の充実度も、選定する際の判断材料となります。
トライアル期間中や購入前にサポートの品質を確かめ、安心して導入できるかを検証しましょう。
顧客管理アプリは、管理業務の効率化だけでなく、パーソナライズされた営業・マーケティング活動にも役立ちます。
本記事を参考にしながら、機能や使いやすさ、価格、拡張性の高さ、サポート体制などを比較して、自社の課題やニーズに合った顧客管理アプリを見つけてください。
HubSpotのCRMは、顧客との関係構築から売上向上までをシームレスに支援する包括的なプラットフォームです。使いやすいインターフェースで全部門の連携を強化し、データに基づいた意思決定を促進。チーム全体の生産性を高めながら、ビジネスの成長を加速させます。部門を超えた協力体制の構築に最適なツールを、無料からご利用いただけます。
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