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サイトのリニューアルや新規立ち上げを前に、「とりあえずWordPressで良いのか」と迷うマーケティング担当者は少なくないでしょう。判断材料の出発点になるのが、世界と日本のCMSシェア率です。
本記事では、第三者調査機関W3Techsの最新データ(2026年)をもとにCMSシェアランキングを比較したうえで、シェア1位のWordPressと他CMSの特性の違いや、AI検索時代を見据えた選び方まで解説します。自社に最適なCMSを選ぶための判断軸として、ぜひ参考にしてください。
W3Techsの調査によると、CMSを利用しているWebサイトの割合は70.5%に上るといいます。そして、CMSのシェア率は世界・日本のどちらでもWordPressが過半数を占める一強です。ただし、世界と日本で比べるとそのシェア率の構造は少し異なっています。
2026年6月時点の世界のCMSシェア率(CMS利用サイト内)は以下の通りです。
|
WordPress |
59.4% |
|
Shopify |
7.4% |
|
Wix |
6.1% |
|
Squarespace |
3.5% |
|
Joomla |
1.8% |
|
その他 |
21.8% |
参考:W3Techs(世界のWebサイト全体におけるCMSのシェア)
WordPressが約60%で他を圧倒し、2位以下にShopify・Wix・Squarespaceが続きます。上位を「オープンソース型(WordPress)」と「ホスティング型(Shopify・Wixなど)」に分けると、傾向がより明確です。EC特化のShopifyや、ノーコードで直感的に作れるWixのようなホスティング型がシェアを伸ばす一方、WordPressと同じオープンソース型であるJoomlaやDrupalは長期的に減少傾向にあります。
日本における2026年6月時点のCMSシェア率(コンテンツ言語として日本語を使用しているCMSが対象)は以下の通りです。
|
WordPress |
82.8% |
|
Shopify |
2.9% |
|
Adobe Systems |
2.2% |
|
Jimdo |
1.9% |
|
Studio |
1.8% |
|
その他 |
8.4% |
参考:W3Techs(日本国内のWebサイト全体におけるCMSのシェア)
出典:Usage of content management systems broken down by content languages
日本のWordPressシェアは82.8%に達し、世界以上に一強傾向が際立っています。2位以下にはAdobe SystemsやJimdo、Studio、EC特化型のShopifyなどが並びますが、いずれも1~3%程度です。
世界と日本ではシェアの動きに違いも見られます。例えば、世界でシェアを伸ばしているWixは、日本ではまだ浸透が限定的で、シェア率は0.3%という結果でした。
なぜWordPressはここまで支持されているのでしょうか。その背景には、「コスト」「拡張性」「情報量」という3つの強みがあります。順に見ていきましょう。
WordPress最大の魅力は、ソフトウェア自体を無料で使えるオープンソースである点です。必要な費用はサーバー代とドメイン代が基本で、初期コストを大きく抑えられます。専門的な開発知識がなくてもブログから企業サイトまで構築でき、中小企業から大企業まで導入しやすいことが、普及を後押ししてきました。
WordPressは、プラグインやテーマを追加することで機能を自由に拡張できます。問い合わせフォーム、SEO設定、EC機能なども後付けで実装でき、数万種類の選択肢から自社の目的に合わせて組み合わせられる柔軟さが強みです。
ただし、この自由度の高さは「必要な機能を自分で選び、組み合わせる」ことが前提でもあります。この点が運用負担につながる側面も持ち合わせています。
利用者が世界的に多いため、解説記事やコミュニティ、書籍といった情報が豊富にそろっています。トラブルが起きても検索で解決策を見つけやすく、対応できる制作会社や人材も多く存在します。
ここでは、国内で利用される代表的なCMSをタイプ別に整理します。
| CMS | 主な用途・特徴 | 料金 |
|---|---|---|
|
WordPress |
汎用性が高く、拡張は自社で行う前提 |
無料 |
|
Shopify |
EC特化。決済・在庫管理を標準装備 |
3,650円/月~ |
|
Adobe Systems |
大規模・多拠点サイト向けのDXP |
要問い合わせ |
|
Jimdo |
ノーコードで手軽。小規模サイト・ネットショップ向け |
無料プランあり |
|
Studio |
デザイン自由度が高く、コード不要で制作 |
590円/月~ |
同じ「CMS」でも、得意とする領域や運用に必要なリソースは大きく異なります。
なお、リード創出や顧客データの一元管理を重視する場合は、CRMと統合されたHubSpotのContent Hubのような選択肢もあります。詳しくは後述します。
世界・日本ともにシェア1位のオープンソースCMSです。無料で利用でき、サーバーとドメインがあればすぐに始められます。65,000種類以上のプラグインやテーマを組み合わせることで、ブログから企業サイト、ECまで幅広く対応できる拡張性が魅力です。利用者が多く情報も豊富なため、トラブル時に自己解決しやすい一方、保守やセキュリティ対策は自社で行う前提となります。高い自由度でサイトを作り込みたい企業に向いたCMSです。
出典:Shopify
Shopifyはカナダ発のEC特化型CMSで、世界的にシェアを伸ばしています。決済・在庫管理・配送設定など、ネットショップに必要な機能が標準搭載され、専門知識がなくても短期間でストアを開設できます。サーバー管理やセキュリティ対策はShopify側が担うため、運用負担が少ない点も特徴。月額制で利用でき、機能の拡張は公式アプリで行います。自社でECを本格的に展開したい企業に適したCMSです。
出典:Adobe Experience Manager Sites
Adobeが提供する、エンタープライズ向けのCMS/デジタル体験管理(DXP)プラットフォームです。Adobeの各種マーケティングツールとも連携しています。コンテンツ管理に加え、デジタルアセット管理(DAM)やパーソナライズ機能を備え、多言語・多拠点の大規模サイトを一元的に管理可能です。
導入・運用には相応のコストと専門人材が必要なため、ブランドサイトを大規模に展開する企業に向いています。
出典:ジンドゥー
Jimdo(ジンドゥー)はドイツ発のホームページ作成サービスです。日本では株式会社KDDIウェブコミュニケーションズが運営しています。ドラッグ&ドロップ操作やAIのアシストにより、専門知識がなくても短時間でサイトを作成できる手軽さが魅力です。サーバー管理が不要なクラウド型で、ネットショップ機能も備えています。個人や小規模事業者が、コストを抑えてWebサイトを立ち上げたい場合に向いた選択肢です。
出典:Studio
Studioは、日本発のノーコードWebデザインツールです。コードを書かずに、オリジナルデザインのWebサイトを直感的に設計・公開できる自由度の高さが特徴です。日本語対応やサポートが手厚い点も、国産ならではの強み。デザイン性を重視したコーポレートサイトやサービスサイトを、スピーディーに制作したい企業に向いています。
先述した通り、WordPressはシェア・情報量ともに群を抜く優れたCMSです。ただし、すべての企業や目的にとって最適とは限りません。大切なのは知名度やシェアではなく、自社の目的と運用リソースに合っているかどうかです。ここでは、WordPressが向くケースと別のCMSを検討したいケースを、いくつかの観点から中立的に整理します。
CMS選びの出発点は、サイトの目的を明確にすることです。ECサイトなのか、情報発信が中心のオウンドメディアなのか、あるいはリード創出を重視するBtoBサイトなのかなど、目的ごとに最適なCMSは変わります。
加えて見落とせないのが、運用に割けるリソースです。社内にWebやITに詳しい人材がいるか、保守にどれだけの予算と時間をかけられるかによって、無理なく使えるCMSは異なります。
もう1つの観点が、必要な機能を「後付けするか」「最初から内蔵しているか」です。WordPressはプラグインで機能を自由に追加できる方式で、要件に合わせて柔軟に作り込める強みがあります。その一方で、ツールの選定や連携設定、メンテナンスは自社で担う前提です。
これに対し、オールインワン型のCMSは、サイト構築に必要な機能をあらかじめ一体化しています。
たとえばHubSpotのCMS「Content Hub」は、CRMやマーケティング機能、分析機能と最初から統合されており、複数ツールをつなぐ設定が不要です。自由度よりも運用のしやすさやデータの一元管理を優先したい場合に向いています。
出典:Content Hub
どちらが優れているということではなく、自社が「作り込み」と「手軽さ」のどちらを重視するかなどによって選択が分かれます。
WordPressは利用者が世界的に多いCMSであるぶん、攻撃の標的になりやすい側面があります。実際、セキュリティ企業のWordfenceによる調査では、WordPressサイトは1日数十回程度の攻撃を受けているとされ、関連の脆弱性も年間で数千件規模で起こっているといいます。
対策としては、セキュリティプラグインやWAFの導入、サーバー側の設定などで実施可能です。社内に運用体制や専任担当者がいる企業であれば十分に管理できますが、少人数で運用する場合や、マーケティング施策に集中したい場合には負担になりやすい点に注意が必要です。サーバー管理やセキュリティ対策を提供側が担うクラウド型・統合型のCMSであれば、こうした負担を抑えられます。自社の体制と照らし合わせて判断しましょう。
ここまでの観点をふまえると、WordPressの向き・不向きは次のように整理できます。
| 観点 | WordPressが向くケース | 別のCMS(統合型など)が向くケース |
|---|---|---|
|
目的 |
小規模サイト、ブログ、コーポレートサイト、SEO重視 |
マーケティングやリード管理を含めて一体運用したい |
|
機能 |
必要な機能をプラグイン等で追加しながら作り込みたい |
主要機能が標準搭載された環境をすぐ使いたい |
|
セキュリティ |
最低限のセキュリティ性能が備わっていれば問題ない |
個人情報などを扱うため高いセキュリティ性能を備えたい |
|
データ |
個別ツールを組み合わせて柔軟に管理したい |
顧客データや施策データを一元管理したい |
「とりあえずWordPress」と決める前に、自社がどちらに近いかを一度見極めることが、ミスマッチを防ぐ近道です。
CMSのシェアは世界・日本のどちらでもWordPressが圧倒的な一強です。無料で始められるオープンソースであることや、プラグインによる拡張性、情報量の豊富さが、その人気を支えています。
一方で、シェアの高さは「多くの企業に選ばれている」という事実を示すものであって、「自社にとって最適である」ことを保証するわけではありません。ECや情報発信、リード創出といった目的、運用に割けるリソース、セキュリティをはじめとする運用体制をふまえ、自社に合うかどうかで判断することが大切です。あわせて、現在のシェアだけでなく、将来の事業やマーケティングの変化に対応できる拡張性という視点も持っておきたいところです。目的・リソース・将来像から逆算し、自社にとって本当に最適な一つを選びましょう。
運用負担を抑えつつマーケティングに集中できる環境を求めるなら、CRMと最初から統合されたHubSpotのContent Hubが選択肢の一つです。複数ツールの連携やセキュリティ管理に追われることなく、顧客理解や施策立案に集中できます。
WordPressと各CMSの機能・セキュリティ・AI時代への対応を詳しく比較したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
CMSの種類によって大きく異なります。WordPressのようなオープンソース型はソフト自体が無料ですが、サーバー代・ドメイン代に加え、有料テーマやプラグイン、制作費、保守費などが必要です。Shopifyのようなクラウド型(SaaS)は月額制で、プランに応じて費用が変わります。エンタープライズ向けはさらに高額になる傾向があります。初期費用だけでなく、運用・保守にかかる継続的なコストも含めて比較することが大切です。
可能です。ただし、コンテンツの移し替えやURL構造の変更に伴うリダイレクト設定、デザインの作り直しなど、相応の手間が発生します。特に、これまで積み上げてきた検索評価を引き継ぐためのリダイレクト対応は、慎重に進める必要があります。移行を支援するツールを備えたCMSもありますが、サイト規模が大きい場合は制作会社などの専門家にサポートを依頼すると安心です。HubSpotでは、WordPressとの連携がスムーズに可能な無料プラグイン も用意しており、コーディング不要でお使いいただけます。
基本的なSEO対策は、どのCMSでも実施できます。検索順位を大きく左右するのは、CMSそのものよりも、コンテンツの質やサイト設計、表示速度、更新を続けられるかどうかといった要素です。とはいえ、SEO設定のしやすさや表示速度、構造化データへの対応のしやすさにはCMSごとに違いがあります。WordPressはプラグインで補い、クラウド型は標準機能で対応するなど、実現方法が異なる点は押さえておくと良いでしょう。
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