MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、リードジェネレーション(顧客創出)からリードナーチャリング(見込み客の醸成)、商談化までの流れを自動化するソフトウェアです。MAツールを導入すると、マーケティング施策の計画から実行、改善のサイクルを効率的に回すことができます。しかし、「種類が多すぎて選び方がわからない」と悩んでいるマーケターも多いものです。
MAツールは国内外の数多くのベンダーが提供しており、機能や価格帯、得意とする業務範囲も大きく異なります。価格の安さや機能の多さだけで選んでしまうと失敗につながりやすいため、導入の目的やツールの特徴を理解したうえで自社に最適なものを選びましょう。
本記事では、MAツールとは?という基本から失敗しない選び方、企業規模・用途別のおすすめ10選を厳選して解説します。一元管理が可能なオールインワンツールから、LINE活用を強化したいBtoC企業まで、自社の状況に合ったツールがすぐに見つかる内容になっています。
この記事は22分で読めます
MAツールについて、
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MAツールとは、リードジェネレーション(顧客創出)からリードナーチャリング(見込み客の醸成)、商談化までの流れを自動化するソフトウェアです。見込み客の創出から価値提供までの一連の流れを効果的に行えます。
主に次のような機能が備わっています。
MAツールは、顧客ごとに最適な体験を提供するためのマーケティング活動に有効です。最適化されたアプローチにより顧客と良好な関係を構築できれば、自社の商品・サービスの導入や継続利用へとつながるでしょう。
MAの概要や活用のコツは次の記事で解説していますので、参考にしてください。
近年は、AI標準搭載のMAツールが一般的になっています。コンテンツの自動生成や配信先の最適化、リードスコアリングの自動調整など、AIの導入によって、より個別最適化されたきめ細やかなマーケティングが実現可能です。ツールを比較する際に、AI搭載の有無もチェックしましょう。
MAツールをマーケティングに導入する主なメリットは、次の3つです。
| ツール | 主な役割 | 購買フェーズ |
|---|---|---|
|
MA(マーケティングオートメーション)ツール |
見込み客の創出・醸成 |
認知 |
|
CRM(顧客関係管理)ツール |
見込み客との関係維持 継続利用のフォロー |
検討~購買・継続利用 |
|
SFA(営業支援システム) |
商談の進捗・案件管理 予実管理 |
検討~購買 |
MAは、見込み客の創出や醸成といった「入り口」の部分の管理を担います。
CRMは、顧客の氏名や連絡先、購入履歴、サイトへのアクセス履歴などを一元管理するためのツールです。創出された見込み客との関係維持や、購入後の継続利用のフォローに役立ちます。
SFA(営業支援システム)は、商談の進捗や案件管理、予実管理など、営業活動に特化した一元管理ができるツールです。
HubSpotはCRMがベースとなっている統合型のツールで、情報が分断されることなくマーケティングや営業施策、さらにはカスタマーサービスまでの業務を一元管理できるのが特徴です。
MAツール選定の際によくある失敗は、チェックリストを使って機能の有無を〇、×などで評価し、〇が多いツールを選んでしまうパターンです。
インバウンドマーケティングのどこに問題があるのか?といった課題があいまいなままでは、必要な機能は洗い出せません。まずは目指したいゴールを明確にして、課題解決に必要な機能を備えるツールを検討しましょう。
次の8つの観点を順に確認することで、自社に最適なツールに絞り込むことができます。
自社の課題によって、MAツールに必要な機能は変わってきます。
すべての機能が揃っているのが理想ですが、その分、高価格になるうえ、機能を持て余してしまう恐れがあります。まずは、見込み客とどんな関係性を築きたいのかをイメージして機能を選びましょう。
マーケティングオートメーションは顧客情報を起点にしているため、社内システムやデータベースとの連携機能があると便利です。連携できるデータが増えれば、実現できる施策が増えます。
サイト上の行動データ、店舗への来店頻度、購買・問い合わせ履歴など、資源となる社内データを確認して、マッチするMAツールを選びましょう。
MAツールの費用対効果は、次の2軸で判断するのが基本です。
業務効率化の観点では、「毎日1時間かかっていたメール配信業務が自動化で10分に短縮」のように数値を出すことで、費用対効果を具体的に試算できます。
売上への貢献の観点では、受注率が改善した場合の売上インパクトを試算するなどの方法で、費用対効果のシミュレーションが可能です。
MAツールは顧客情報を起点とするため、既存の社内システムやデータベースとの連携性が導入後の成果を大きく左右します。また、マーケティングでは、SNS、スマホアプリ、LINE、広告、DMなど、コミュニケーションチャネルが多岐に渡るケースもあるでしょう。
次のように、連携できるデータが増えるほど実現できる施策の幅が広がります。
自社の既存システムやチャネルを整理して、連携可能なツールを選びましょう。
自社に近いビジネス規模や業種での導入事例が豊富なツールを提供しているベンダーには、同様の課題に対するノウハウが蓄積されています。そのため、スムーズな立ち上げや効果的な運用が期待できるでしょう。
次のようなポイントをチェックしておきましょう。
設定やエラーに際して、ツール会社がどこまでサポートしているのかという点も選定ポイントとなります。次のポイントを中心に比較してください。
また、海外製のMAツールを利用する際は、日本語に対応しているかどうかも確認しましょう。
BtoBとBtoCでは、求められるMAの機能が異なります。
| ビジネスモデル | 特徴 | MAツールに必要な機能 |
|---|---|---|
|
BtoB |
|
|
|
BtoC |
|
マルチチャネル対応 セグメント配信 LINE連携 SNS連携 |
BtoB事業は商品が高額で購入までに時間がかかる場合が多いため、リードナーチャリングを重視した施策が増えがちです。タイムリーに、かつ最適なコンテンツを提供するために、スコアリングなどセグメンテーション機能が充実したツールがふさわしいでしょう。
BtoC事業は多数の見込み客と複数のチャネルでコミュニケーションをとる場合が多いため、多チャネルでさまざまなアプローチを行える拡張性の高さが求められます。
自社の事業タイプにあわせて、ツールがBtoB向けか、BtoCかを見極めることも重要なポイントです。
クラウド型MAツールは、顧客の個人情報をクラウド上で管理するため、ベンダーのセキュリティ水準の確認は必須です。一例として、HubSpotでは、次のような対応を行っています。
安全に利用できるかどうかも、MAツールを選ぶうえでの重要な基準です。
参考:HubSpotのセキュリティー、プライバシー、管理・統制について
次の比較早見表と各ツールの詳細解説を参考に、自社の企業規模や用途に合ったツールを選んでください。
| ツール | 向いている企業 | 主な強み | 料金目安 | |
|---|---|---|---|---|
|
1 |
HubSpot Marketing Hub |
CRM(顧客関係管理)ツールを基盤とした顧客視点のマーケティング取り組みたい中堅企業(BtoB/BtoC) |
CRMを基盤としてSFAやCSとの連携にも対応、無料~、世界29万社超 |
無料~ |
|
2 |
ferret One |
BtoBマーケティングを強化したい中堅企業 |
コンテンツマーケティングの強化に最適なCMS・MA・SFA・CRM統合型 |
要問い合わせ |
|
3 |
BowNow |
初めてMAを導入する中小BtoB企業 |
無料プラン、ノウハウテンプレ搭載、導入16,000社以上 |
無料~ |
|
4 |
Kairos3 |
Webと対面の顧客行動を一元管理したいBtoB中小企業 |
99%超の継続率、Zoomウェビナー連携、専任サポート伴走 |
15,000円~(税別)/月 |
|
5 |
SATORI |
匿名訪問者へのアプローチを強化したいBtoB企業 |
タグ設置だけで即日運用、匿名リードへのナーチャリングが可能 |
初期300,000円+148,000円~(税別)/月 |
|
6 |
Marketing Cloud Account Engagement |
Salesforce Sales Cloud導入済みの大企業 |
Salesforceネイティブ連携、高度スコアリング、Agentforceによるパーソナライズ |
150,000円~/月 |
|
7 |
Adobe Marketo Engage |
Adobe製品を導入済みの大規模BtoB/BtoC企業 |
クロスチャネルMA、エージェント型AIによるカスタマージャーニー最適化 |
要問い合わせ |
|
8 |
b→dash |
EC・実店舗など複数チャネルを持つBtoC大手企業 |
CDP+MA+BI統合、LINE・SMS・メール・アプリプッシュのクロスチャネル配信 |
要問い合わせ |
|
9 |
カスタマーリングス |
顧客ロイヤルティ・LTV向上が課題のEC・通販企業 |
EC特化、顧客行動と感情の可視化、カゴ落ちフォローなどEC向け自動化 |
要問い合わせ |
|
10 |
Liny |
LINEを軸としたマーケティング戦略を実現したいBtoC企業 |
LINEヤフー公式認定、セグメント/シナリオ配信、高セキュリティ(AWS国内) |
要問い合わせ |
料金やサービス内容は2026年4月時点の公開情報です。最新情報は各公式サイトを参照してください。
見込み客の醸成を本格的に仕組み化したい中堅企業に向いているMAツールを紹介します。CRM(顧客関係管理)ツールとの連携や複数チャネルの一元管理など、マーケティング施策をスケールさせるための機能が充実しています。
出典:HubSpot
HubSpotが提供するMarketing Hubは、CRM(顧客関係管理)ツールを基盤としたMAツールです。顧客視点のマーケティングが強みで、世界135か国以上、29万社を超える導入実績を持ちます。Sales Hub(営業支援システム)・Service Hub(カスタマーサービスソフトウェア)など、連携可能なツールも豊富にあります。
HubSpotは、近年急速に普及しているAI検索(ChatGPT・Gemini・Perplexityなど)において、自社ブランドがどう認識・引用されるかを最適化する「AEO(Answer Engine Optimization)」にも対応しています。無料で自社の現状を診断できるAEO Graderをはじめ、継続的な計測・改善を実行できる環境を備えるのに最適です。「検索エンジンだけでなくAI検索にも選ばれる」マーケティング基盤をHubSpotなら一つのプラットフォームで構築できます。
【HubSpotが特に向いている企業】
【主な機能】
【価格(年払い)】
【公式サイト】
出典:ferret One
ferret Oneは、コンテンツマーケティングの強化に最適なCMS・MA・SFA・CRM統合型のプラットフォームです。 2,000社以上の導入実績があり、見込み客の創出から商談管理までの一元管理が可能です。
【ferret Oneが特に向いている企業】
【主な機能】
【価格】
要問い合わせ
【公式サイト】
「MAツールは使ってみたいけれど、高額で使いこなせるかどうか不安」という企業に向いているのが、スモールスタートが可能なMAツールです。直感的なUIと手厚いサポートで、専任担当者がいなくても自走しやすい設計が特徴です。
出典:BowNow
BowNowは、導入実績16,000社以上を誇るMAツールです。ノウハウがテンプレート化されていて設計もシンプルなので、初めてMAツールを利用する場合も導入しやすいのが特徴です。
【BowNowが特に向いている企業】
【主な機能】
【価格】
【公式サイト】
出典:Kairos3
Kairos3は、99%以上の継続率を誇る中小BtoB企業向けMAツールです。Webサイト上の行動から展示会などの対面接触まで、あらゆる顧客行動をスコア化できます。迷わず使えるシンプルなUIと、導入から施策の実行まで伴走する丁寧なサポートが高い継続率につながっています。
【Kairos3が特に向いている企業】
【主な機能】
【価格】
15,000円(税別)/月~
【公式サイト】
出典:SATORI
SATORIは、メールアドレスを取得済みの見込み客に加えて、連絡先がわからないWebサイトの訪問者に対してもアプローチできる点が強みのMAツールです。計測タグを埋め込むだけの簡単設定でWebサイト内のユーザー行動履歴を把握し、興味関心の高い見込み客へ優先的にアプローチできます。
【SATORIが特に向いている企業】
【主な機能】
【価格】
初期300,000円+148,000円~(税別)/月
【公式サイト】
すでにSalesforceやAdobe製品を基幹システムとして導入済みの企業には、Salesforce・Adobeが提供するMAツールを追加する方法もおすすめです。高いカスタマイズ性と外部システムとの柔軟な連携が強みで、専任チームを設置してMAツールを本格運用したい企業に適しています。
出典:Marketing Cloud Account Engagement
Marketing Cloud Account Engagementは、ハイテクノロジー、金融サービス、製造業など幅広い業界で活用されているSalesforceが提供するMAツールです。Salesforce(SFA)とMAツールのデータをリアルタイムで同期できるため、営業部門とマーケティング部門の強化に役立ちます。
【Marketing Cloud Account Engagementが特に向いている企業】
【主な機能】
【価格(年払い)】
150,000円~/月
【公式サイト】
Marketing Cloud Account Engagement
Adobe Marketo Engageは、オンライン・オフラインを問わないクロスチャネルのマーケティングを得意とするMAツールです。エージェント型AI が複雑かつ大規模なカスタマージャーニーを作成・分析し、最適化につなげます。
【Adobe Marketo Engageが特に向いている企業】
【主な機能】
【価格】
要問い合わせ
【公式サイト】
顧客数が多いBtoCモデルのビジネスには、一人ひとりに最適化されたコミュニケーションに対応できるMAツールがおすすめです。複数チャネルでの配信やコンテンツのパーソナライズ、LINE対応の有無などの基準で選びましょう。
出典:b→dash
b→dashは、CDP(顧客データプラットフォーム)を基盤として、MA・BI(ビジネスインテリジェンス)・Web接客の機能を統合したBtoC向けデータマーケティングクラウドです。メールやLINE、SMSなど、複数チャネルによるアプローチに強みを持ち、各種テンプレートも揃っているため、初心者でも使いやすいツールです。
【b→dashが特に向いている企業】
【主な機能】
【価格】
要問い合わせ
【公式サイト】
出典:カスタマーリングス
カスタマーリングスは、顧客体験(CX)の向上に特化したEC(通販業界)向けのマーケティングプラットフォームです。顧客の基本情報から購入履歴、継続率、アンケート結果などのデータを顧客別に統合することで、数値だけでは捉えきれない顧客の行動や感情を可視化できます。
【カスタマーリングスが特に向いている企業】
【主な機能】
【価格】
要問い合わせ
【公式サイト】
出典:Liny
Linyは、顧客情報の一元管理からコンテンツのシナリオ設計、キャンペーンの実施、分析までをワンストップで行えるLINE特化型MAツールです。LINEヤフー株式会社による公式認定を受けているため安心して使用でき、保険会社や司法書士法人、公益社団法人など、高度なセキュリティが求められる組織での導入実績も豊富にあります。
【Linyが特に向いている企業】
【主な機能】
【価格】
要問い合わせ
【公式サイト】
MAツール選定で最初に決めるべきは、機能の多さではなく「自社の運用体制」と「既存システムとの連携」の2軸です。この2軸を起点に企業規模・事業タイプ(BtoB/BtoC)を絞り込めば、候補は自然に2~3択まで絞られます。専任担当者がいない場合でも、無料プランやサポート体制が充実したツールから始め、事業の成長に合わせて拡張していく進め方が現実的です。
HubSpotは無料プランから始められ、CRMを基盤に営業・マーケティング・カスタマーサービスを一本化できる統合型プラットフォームです。段階的な拡張を前提に設計されているため、将来の運用規模を見越してツールを選びたい企業にも適しています。
必須ではありませんが、AI機能があることで運用効率が大きく変わります。AI搭載のMAツールは、メールのタイトルや配信先の自動最適化やリードスコアリングの自動調整、コンテンツ生成の支援などが可能で、工数を削減しながら精度を高められます。特に、顧客の購買行動に関して一定量のデータを保有している企業の場合は、AIを活用した分析と施策の改善がしやすいため、AI搭載のMAツールがおすすめです。
専任担当者がいなくても導入・運用は可能です。無料プランやデモを活用して感覚的に操作できるツールを選び、導入・運用のサポート体制が充実したツールを選ぶと失敗を防げます。すでに導入済みの企業の口コミも参考になります。
はい、使えます。展示会で入手した見込み客のデータをもとにMAツールでステップメールを自動配信するなどの活用ができます。MAツールは、オフラインとオンラインでデータが断絶しない仕組みを作るうえでも有効です。
Marketing Hubは、HubSpotのCRMに集約された顧客情報を結び付ける統合型のマーケティング オートメーション ソフトウェアです。有益なコンテンツを提供して自社に興味を持ってもらい見込み客と接点を構築。さらに、マーケティング業務を自動化し、最適な方法とタイミングで見込み客や顧客にアプローチしましょう。
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