SFA(営業支援システム)とは、情報の一元管理や業務の自動化などにより、営業活動を効率化するためのツールです。1つのシステムに案件や商談などの情報をまとめられるため、データ入力の手間を削減することができ、属人化の抑制にもつながります。
SFAの機能は製品によって大きく異なるため、特徴を理解したうえで自社の要件に合った製品を選ぶことが重要です。
本記事では、基本機能と便利な機能に分けて、SFAの代表的な機能を紹介します。
SFAに搭載されている主な機能は、次の5つです。
これらの機能は使用頻度が高いため、それぞれの特徴や使い方を理解しておきましょう。
リード管理は、会社名・住所・電話番号・担当氏名・役職など、リード(見込み客)に関する情報を管理する機能です。名刺管理ツールとの連携によって、名刺情報をそのままSFAへ登録することも可能です。
また、近年は多くのSFAがCRM(顧客関係管理)の機能を兼ね備えています。顧客情報を一元管理するためのツールは「CRMツール」と呼ばれており、SFAと併用することで営業活動の効率化につながります。
具体的には、次のような情報を1か所にまとめられます。
1つのシステム上で見込み客や顧客の情報を参照できるため、担当者が不在であってもスムーズな対応を行えるのが利点です。また、異動や離職によって担当者に変更があった場合も、担当先の情報をスムーズに引き継げます。
案件管理は、案件ごとの情報をデータベース上に蓄積できる機能です。マネジメントの効率化に役立つ機能で、営業活動をリアルタイムに把握し、必要に応じて各担当者のフォローができるようになります。作成に手間や時間がかかる営業日報の代替策として活用するのも一案です。
各案件のデータには次のような情報が含まれており、項目を自由にカスタマイズできるツールが一般的です。
商談管理は、次のような商談に関する情報を管理する機能です。
前述した案件管理機能は営業活動全体の流れを把握する際に役立ちますが、商談管理機能では、より商談に特化したプロセスが可視化されます。そのため、過去の商談内容から失注原因を特定したり、成功法則を営業担当者全員で共有したりといった活用が可能です。
活動管理(パイプライン管理)は、営業アプローチ開始からクローズまでの流れをパイプライン状に可視化する機能です。ヒアリングフェーズや見積提示フェーズなどの段階ごとに、取引先名や担当者名、見積金額といった情報が記録されます。
活動管理機能を活用すれば、各営業担当者の業務や商談の進み具合が一連のプロセスとして可視化できます。また、活動履歴を蓄積できるため、過去のデータから非効率的な業務を特定し、業務改善につなげることも可能です。
タスク管理は、各営業担当者のタスクを1つのスケジュールに集約する機能です。カレンダー形式のスケジュール上に、担当者名やタスクの内容、開始時間・終了予定時間などの情報を記載できます。
チーム全体のスケジュールを共通のシステムで管理することで、スピーディなフォローや人員配置の最適化につながるのがメリットです。また、各営業担当者の業務内容が全体公開されることになるため、業務に対する責任意識の向上にも寄与します。
SFAの製品によっては、ほかにも次のような便利機能が搭載されています。営業活動の効率化や生産性向上を目的として使用されます。
概要と活動方法をそれぞれ見ていきましょう。
SFAでは、システム内に蓄積された複数のデータを組み合わせてレポートを作成できます。
例えば、過去の受注金額を時系列で並べたり、営業担当者ごとの商談化率をグラフで整理したりといったイメージです。レポートの内容はSFAのシステム内にデータを入力するたびに自動更新されるので、データ集計の手間を最小限に抑えられます。
さらに、作成したレポートをダッシュボード上に表示することも可能です。ダッシュボード画面にアクセスすると、複数のレポートが一覧で表示されます。
レイアウトも自由にカスタマイズできるため、予実を検証したいのであれば時系列のレポートを中心に配置するなど、独自のダッシュボードを柔軟に構築可能です。
売上予測機能は、SFAのシステム内のデータから将来的な売上高を予測する機能です。基本的には受注予定額と受注確度をもとに売上高を予測します。そのほか、部門や営業担当者など、特定の軸に沿って売上予測を確認する方法もあります。
売上予測機能は案件に優先順位を設定する際に役立ちます。より大きな予想売上高が期待される案件に対しては、担当者の数を増やしたり、フォローの質や頻度を高めたりといった対策を行うことが可能になります。
HubSpotが提供するSFA「Sales Hub」には、AIを用いた売上予測機能が搭載されています。営業担当者が作成した売上予測データと、AIによる予測データを照合することで、正確性を検証できるのがポイントです。
SFAには、日報や週報、見積書などのテンプレートが用意されている製品も多く、よりスムーズな書類作成を可能にします。
テンプレート付きの書類作成機能を活用すれば、一から雛形を作る必要がありません。さらに作成した書類はシステム上に蓄積され、検索やレポートなどへの添付が可能なので、組織内での円滑な情報共有が実現します。
書類作成業務の負担が減ることで、各担当者がコア業務に注力できるのも利点です。SFAは業務効率化だけでなく、生産性向上にも効果を発揮します。
ワークフロー機能は、主にルーティンワークを自動的に処理するための機能です。「シナリオ」と呼ばれる手順を設定することで、機械による自動処理を行えます。
例えば、次のような形でシナリオを設定できます。
メールの作成は人が行う必要がありますが、メールの送信作業や情報入力の作業を機械が担ってくれます。各シナリオのなかで、「新しいコンタクトを自動的に登録」、「コンタクトが登録された時点で指定したメールを送信」といった条件を登録しておけば、順次その作業が自動的に実施される仕組みです。
ワークフロー機能をうまく活用することで、業務負荷の軽減や効率向上といった効果が見込めるでしょう。
SFAを外部システムと連携することで、SFAで蓄積したデータをほかのシステムでも活用することが可能です。また、SFAに備わっていない機能を拡張することで、ツールの利便性が高まります。
連携可能な代表的な外部システムは次の通りです。
ここまでに紹介した以外にも、ツールによって多種多様な機能があります。例えば、HubSpotの「Sales Hub」には、次のような機能が搭載されています。
機能が多ければ多いほど用途は増えますが、一方でシステムが複雑化して使いこなせなくなることも考えられます。そのため、必要な機能を洗い出したうえでニーズに合ったシステムを選ぶことが大切です。
SFAには案件管理や商談管理といった情報の一元管理機能が搭載されています。組織内でのスムーズな情報共有を行えるほか、蓄積したナレッジやノウハウを社員教育に活用することも可能です。
また、レポート作成や売上予測などの便利な機能が搭載されているのもポイントです。SFAのシステム内に蓄積されたデータをもとに、特定の作業を効率的・自動的に処理できるため、業務効率化や生産性向上にも効果を発揮します。
自社の課題や目的をもとに要件を定義し、予算も踏まえたうえでニーズに合ったシステムを選びましょう。
Sales Hubの無料版ではHubSpotのCRMでの顧客管理をベースに、様々なSFA機能をお使いいただけます。
効果的な営業活動を通じ見込み客との信頼関係を構築し、営業業務を自動化することで最適な方法で見込み客や顧客にアプローチしましょう。
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