カスタマーサクセスツールを選ぶときに最初に決めるべきことは、解決したい自社の優先課題です。ツールによって得意な領域が異なるため、課題を特定しないまま導入してしまうと、根本的な解決につながりません。
一例として、解約率を下げたいのであれば、ヘルススコア管理やLTV(顧客生涯価値)の最大化が得意なツールを選びます。問い合わせ対応を効率化したい場合は、 ヘルプデスクやチケット管理が可能なツールがおすすめです。 本記事では、カスタマーサクセスツールを選ぶ4つのポイントを解説しながら、導入目的別にカスタマーサクセスツールを厳選して10個紹介します。
カスタマーサクセスツールは、主に導入目的・コスト・外部ツールとの連携可否の3軸で選択すると失敗を防ぐことができます。また、近年はAIが搭載されているツールが標準仕様になりつつあるため、「AIによって何を自動化したいのか」によっても適切なツールが変わります。
カスタマーサクセスツールは、それぞれ解決できる課題が異なります。最も失敗しやすいのは、知名度の高さや機能性でツールを選んでしまうことです。まずは、自社のカスタマーサクセスで最も優先すべき自社の課題を整理してください。課題が明確になることで、適切なツールが自ずと絞り込めるようになります。
カスタマーサクセスツールの運用には、次のようなコストがかかります。
当然ながら、機能が多くなるほど費用が高くなる傾向にあります。必要な機能をあらかじめ絞り込むことで、コストの適正化をはかりましょう。また、事業拡大や顧客数の増加で費用がどれくらい増加するかも考慮することが大切です。
CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)、MA(マーケティングオートメーション)など、導入済みのツールがある場合は、連携可能なカスタマーサクセスツールを選ぶことで情報の一元管理が可能になります。最新の顧客情報をもとに各部門が活動すると顧客体験が向上し、カスタマーサクセスの質も高まります。 次のようなツールとの導入可否を確認しましょう。
近年は、AIが標準搭載されたカスタマーサクセスツールが主流になりつつあります。カスタマーサクセス部門の人数が限られている場合、AIが担える業務範囲が広いほど少ない工数で多くの顧客に対応できます。 確認すべきAI機能の主なポイントは次の通りです。
おすすめのカスタマーサクセスツール10選を、データの一元管理や人手不足の解消といった導入目的別に紹介します。
次の比較早見表と各ツールの詳細解説を参考に、自社の企業規模や用途に合ったツールを選んでください。
| ツール | 向いている企業 | 主な強み | 料金目安 | |
|---|---|---|---|---|
|
1 |
HubSpot Service Hub |
マーケティング・営業・カスタマーサクセスのツールを一本化したい成長企業 |
CRM統合型、AI顧客対応エージェント搭載、2,000以上の外部ツールと連携 |
無料〜 |
|
2 |
Zendesk |
大量の問い合わせをマルチチャネルで管理したい企業 |
世界10万社以上導入、AIエージェント搭載、CRM連携対応 |
19米ドル〜/月 |
|
3 |
Freshdesk |
コスパ重視でヘルプデスクを整備したい企業 |
無料プランあり、多言語対応、部門間データ共有 |
3,100円〜/月 |
|
4 |
Channel Talk |
SNS経由の問い合わせを部門横断で管理したい企業 |
LINE・Instagram連携、社内チャット統合 |
無料〜 |
|
5 |
Fullstar |
カスタマーサクセス担当者が不足していて顧客の自己解決を促したい企業 |
ノーコードでチュートリアル作成、利用状況アラート通知 |
無料〜 |
|
6 |
Tayori |
FAQ・フォーム・チャットをまとめて整備したい企業 |
国内製、豊富なテンプレート、直感的な操作性 |
無料〜 |
|
7 |
Onboarding |
解約の兆候をリアルタイムで検知したい企業 |
利用状況自動モニタリング、変化時アラート通知 |
要問い合わせ |
|
8 |
KiZUKAI |
AIで解約リスクを自動算出したい国内SaaS企業 |
数クリックで解約率算出、アップセル候補抽出 |
要問い合わせ |
|
9 |
EmotionTech |
顧客インサイト分析を一気通貫で行いたい企業 |
調査〜分析〜課題発見まで一元完結 |
要問い合わせ |
|
10 |
commune |
顧客コミュニティでLTV向上と口コミ創出を目指す企業 |
ノーコードコミュニティ構築、CRM/SFA/MA連携 |
要問い合わせ |
料金やサービス内容は2026年5月時点の公開情報です。最新情報は各公式サイトを参照してください。
CRMを基盤とした統合型のカスタマーサクセスツールなら、部門ごとに個別のツールを導入することなく情報の一元管理が実現可能です。
参照:HubSpot
HubSpotは、Sales Hub(営業)・Marketing Hub(マーケティング)・Service Hub(カスタマーサービス)が同一のCRM(顧客関係管理)データを基盤として動いているのが特徴のツールです。すべての顧客データが統合された状態で各部門が活動できるため、商談成立から解約防止までのカスタマージャーニー全体を、1つのプラットフォームで可視化できます。
AI顧客対応エージェントが問い合わせの70%以上※を自動解決し、担当者の工数を大幅に削減。ヘルプデスク機能で複数チャネルの問い合わせを一元管理し、プレイブックで対応品質を標準化できます。無料CRMから段階的に拡張できる設計は、成長企業が内製でサポート体制をスケールさせるための最適な基盤です。
※出典:HubSpot、AI検索に対応する新製品「HubSpot AEO」を含む100以上の製品アップデートを発表
【HubSpotが特に向いている企業】
| サービス名 |
Service Hub |
|---|---|
| 初期費用 |
0円~ |
| 月額費用 |
無料プラン:0円 |
| 無料プラン/トライアル有無 |
無料プランあり(2ユーザーまで) |
| 主な機能 |
ヘルプデスク |
| モバイル対応 |
あり |
| 特徴的なAI機能 |
顧客対応エージェント |
| 導入実績 |
世界135か国、29万9,000社以上 |
参照:Zendesk
Zendeskは、世界10万社以上が導入しているカスタマーサービスプラットフォームです。SalesforceやHubSpotなどのCRMツールやSFA(営業支援システム)とのAPI連携によって、他部門と顧客情報を共有できます。メール・Web・電話・SNSなど、複数チャネルからの問い合わせを統合管理する機能が充実しており、大規模なサポートチームでの運用に強みがあります。
【Zendeskが特に向いている企業】
| サービス名 |
Zendesk |
|---|---|
| 初期費用 |
0円 |
| 月額費用 |
Support Team:19米ドル~ |
| 無料プラン/トライアル有無 |
14日間無料トライアルあり |
| 主な機能 |
オンラインチャット・音声通話 |
| モバイル対応 |
あり |
| 特徴的なAI機能 |
AIエージェント(80%の対応を自動化) |
| 導入実績 |
世界10万社以上 |
参照:Freshdesk
Freshdeskは、クラウド型の問い合わせ管理ツールです。SalesforceやHubSpot、Slackなどの外部ツールとの連携が可能で、カスタマーサクセスツールに蓄積された顧客の声を営業・マーケティングとリアルタイムに共有できます。アナリティクス機能では自動分析のほか、フィルタを活用して解約率やオンボーディング完了率を時系列で表示することが可能です。重要な指標を定期的にメール送信するスケジュール機能も備えています。
【Freshdeskが特に向いている企業】
| サービス名 |
Freshdesk |
|---|---|
| 初期費用 |
0円 |
| 月額費用 |
GROWTH:3,100円~ |
| 無料プラン/トライアル有無 |
最長6か月無料プラン・ |
| 主な機能 |
チャネルの一元化・チケット管理 チケット管理・自動割り振り |
| モバイル対応 |
あり |
| 特徴的なAI機能 |
問い合わせの自動化・多言語対応 |
| 導入実績 |
50,000社以上 |
参照:Channel Talk
Channel Talkは、コスメ業界やアパレル業界の企業が多く導入しているビジネスチャットツールです。LINEやInstagramビジネスアカウントと連携し、複数チャネルからの問い合わせを1画面で一元管理できます。顧客対応中に社内確認が必要な場合も、チャット画面を切り替えるだけで社内メンバーに即座に確認を取れる設計になっています。対応履歴や顧客情報はチーム全体で共有されるため、営業・マーケティングなどの部門間で引き継ぎや情報共有もスムーズに行えます。
【Channel Talkが特に向いている企業】
| サービス名 |
Channel Talk |
|---|---|
| 初期費用 |
0円 |
| 月額費用 |
Early Stage:2,700円~ |
| 無料プラン/トライアル有無 |
無料プランあり |
| 主な機能 |
問い合わせの一元管理 |
| モバイル対応 |
あり |
| 特徴的なAI機能 |
電話応対・ナレッジを基盤とした回答生成 オペレーター機能 など |
| 導入実績 |
世界22万社以上 |
AIによる顧客対応やチュートリアルの自動設計により、カスタマーサクセス担当者の工数を増やさずに対応できる顧客数をスケールさせることを得意とするツールを紹介します。
参照:Fullstar
Fullstar(フルスタ)は、コーディングなしでユーザー向けのチュートリアルを作成でき、自己解決を促進することに強みを持つカスタマーサクセスツールです。アンケート機能で顧客インサイトを収集し、プルダウン選択だけで解約防止・アップセルに向けたアクションを即座に特定できます。利用率が下がったユーザーをアラート通知する機能もあります。
【Fullstarが特に向いている企業】
| サービス名 |
Fullstar |
|---|---|
| 初期費用 |
要問い合わせ |
| 月額費用 |
Light:要問い合わせ |
| 無料プラン/トライアル有無 |
無料プランあり |
| 主な機能 |
ノーコードでのプロダクトツアー・チュートリアル作成 |
| モバイル対応 |
- |
| 特徴的なAI機能 |
チャットボット |
| 導入実績 |
1,000システム以上 |
参照:Tayori
Tayori(タヨリ)は、FAQ・問い合わせフォーム・チャット・アンケートをまとめて構築・運用できる国産のカスタマーサポートツールです。チャット開始前にアンケートに回答してもらう設計にすることで、顧客が自分で問題を整理しながら解決できる導線を作れます。
【Tayoriが特に向いている企業】
| サービス名 |
Tayori |
|---|---|
| 初期費用 |
スターター・プロフェッショナル:0円 |
| 月額費用 |
スターター:3,800円 |
| 無料プラン/トライアル有無 |
無料プラン・14日間無料トライアルあり |
| 主な機能 |
FAQページの作成・公開(豊富なテンプレートあり) |
| モバイル対応 |
あり |
| 特徴的なAI機能 |
チャットボット・FAQでのAI検索機能 |
| 導入実績 |
70,000アカウント |
顧客の利用状況や行動データをリアルタイムで分析し、解約リスクをスコアリングして先手を打てるようにすることを得意としたツールを紹介します。
参照:Onboarding
Onboarding(オンボーディング)は、顧客の利用状況の自動モニタリングとアラート通知に強みがあるカスタマーサクセスツールです。利用状況に大きな変化があった場合は担当者に自動で通知されるため、解約リスクの兆候を早期に察知してアクションを取ることができます。
【Onboardingが特に向いている企業】
| サービス名 |
Onboarding |
|---|---|
| 初期費用 |
要問い合わせ |
| 月額費用 |
要問い合わせ |
| 無料プラン/トライアル有無 |
要問い合わせ |
| 主な機能 |
ノーコードでのユーザーガイド・ポップアップ実装 |
| モバイル対応 |
要問い合わせ |
| 特徴的なAI機能 |
文章の作成/添削・データ分析 ユーザーサポートの自動化 など |
| 導入実績 |
- |
KiZUKAI(キヅカイ)は、サブスクリプションビジネス向けの顧客データ管理ツールです。 大量の顧客データを一元管理し、リアルタイムにトラッキングできます。わずか数クリックでAIが解約率を自動計算し、解約率やアップセル・クロスセルの見込みが高い顧客を抽出できるため、顧客の利用状況に応じて効率的なアプローチが可能です。
【KiZUKAIが特に向いている企業】
| サービス名 |
KiZUKAI |
|---|---|
| 初期費用 |
要問い合わせ |
| 月額費用 |
要問い合わせ |
| 無料プラン/トライアル有無 |
要問い合わせ |
| 主な機能 |
AIによる解約率自動算出・リスクスコアリング |
| モバイル対応 |
- |
| 特徴的なAI機能 |
レポート機能・AIエージェント |
| 導入実績 |
- |
参照:EmotionTech
EmotionTech(エモーションテック)は、顧客の視点や声といった「感情」をデータ分析し、事業運営に活用できるツールです。顧客満足度を測定できるアンケートを簡単に作成し、自動で分析します。Web接客ツールやCRMツール、BI(ビジネスインテリジェンス)ツール、ERPなどの外部ツールと連携することで、収集したデータをマーケティング施策へとダイレクトに活用できます。
【EmotionTechが特に向いている企業】
| サービス名 |
EmotionTech |
|---|---|
| 初期費用 |
要問い合わせ |
| 月額費用 |
要問い合わせ |
| 無料プラン/トライアル有無 |
要問い合わせ |
| 主な機能 |
顧客満足度アンケートの作成・配信 |
| モバイル対応 |
- |
| 特徴的なAI機能 |
レポート機能・コメントの感情判定 |
| 導入実績 |
- |
参照:commune
commune(コミューン)は、オンラインコミュニティを軸にカスタマーサクセスを推進するプラットフォームです。顧客同士が課題を解消できるコミュニティをノーコードで構築でき、企業側のカスタマーサクセス担当工数を減らしながら顧客同士の相互サポートを活性化できます。APIを介したCRM・SFA・MA連携にも対応しており、既存ツールとの統合も可能です。
【communeが特に向いている企業】
| サービス名 |
commune |
|---|---|
| 初期費用 |
要問い合わせ |
| 月額費用 |
要問い合わせ |
| 無料プラン/トライアル有無 |
要問い合わせ |
| 主な機能 |
コミュニティトレンド・アクセス分析 |
| モバイル対応 |
あり |
| 特徴的なAI機能 |
インサイトの抽出・マルチチャネル分析 AIチャット・競合比較分析 など |
| 導入実績 |
- |
カスタマーサクセスツールは、まず自社が今最も解決すべき課題を明確にしたうえで絞り込みましょう。ツールの導入自体が目的にならないよう、「そのツールでどのような課題を解決するか」という視点を持つことが大切です。既存のツールとの連携可否もポイントになります。
HubSpotのService Hubは、CRMを基盤としているため、「部門間で顧客情報が分断されている」「対応が属人化している」「解約の予兆に気づけない」といったカスタマーサクセス部門が抱えやすい課題を、1つのプラットフォームで横断的に解決できます。
2,000種類以上の外部ツールとの連携にも対応しており、既存のSFAやMAとのデータ統合もスムーズです。事業の成長に合わせて段階的に拡張していける点もメリットです。無料プランから開始できますので、ぜひお試しください。
カスタマーサクセスツールは、大きく次の5つの領域をカバーします。
ツールによって得意な領域は異なるため、「今の自社に最も必要な機能はどれか」を先に決めてから選定することが重要です。
カスタマーサクセスツール選定で優先するべきなのは、機能の多さではなく「自社が今最も解決すべき課題」です。問い合わせ対応の属人化や解約の予兆への対応遅れ、顧客対応の工数の増大など、カスタマーサクセス部門が抱える課題はツールによって解決できる領域が異なります。課題を先に言語化することで、候補は自然と絞り込まれます。
HubSpot Service Hub・Channel Talk・Fullstar・Tayoriなどのツールには無料プランが用意されており、基本的な機能を試せます。まずは無料ツールで自社の課題と照らし合わせながら使用感を確かめ、必要に応じて有料プランへ移行する進め方が現実的です。
HubSpotの無料のカスタマーサービスソフトウェアを使用して、サポート体制の拡大と顧客維持を促進
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