生成AIのアプリをダウンロードすると、スマホやタブレットで画像やイラストを生成できます。さまざまなサービスがあるため、最新の情報を参考にしながら目的に合ったものを選びましょう。
この記事では、2025年の最新情報をもとに、画像・イラスト生成AIスマホアプリのおすすめ15選を紹介し、特徴・料金・選び方を詳しく解説します。
画像・イラスト生成AIアプリとは、人間が指示を与えることで、機械がオリジナルの画像やイラストを作成してくれるアプリのことです。モバイル対応のアプリなら、外出先でも気軽にクリエイティブな業務に対応できます。
生成AIに入力する指示文のことを「プロンプト」と呼び、「リビングで寝ている猫」「中世ヨーロッパ風の村。油絵のような質感で」など、描写するものや雰囲気をプロンプトで細かく指定できるのが生成AIの特徴です。既存の画像を読み込ませることで、新しい画像を生成できるアプリもあります。
実際に画像やイラストを生成するには、多くの場合「プロンプト入力 → スタイル選択 →サイズ指定」の手順を踏むだけで済み、早ければ数秒程度で作業が完了します。アプリによっては、生成した画像やスマホで撮影した写真をそのまま編集したり、エフェクトを追加したりすることも可能です。出力形式はアプリによって異なるため、事前に確認しておきましょう。
Webブラウザから利用する画像生成AIツールは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
ここからは、スマホで使える画像・イラスト生成AIアプリを紹介します。利用料金やスペックなどの情報は、2025年4月時点のものです。
出典:「Canva - デザイン作成&動画編集&写真加工」をApp Storeで
Canvaは、Webブラウザ上でオリジナルグラフィックを作成・編集できるサービスです。アプリ版にもほとんど変わらない機能が搭載されており、AIによる画像生成機能は「ドリームラボ」で利用できます。
ドリームラボでは、テキストまたは画像から、新しい画像の生成が可能です。1回のプロンプト入力で、最大4つの画像が出力されます。生成された画像は、そのままCanvaの編集機能で加工して活用できるのが魅力です。
ドリームラボツールは無料プランでも利用できますが、20回の回数制限があります。有料プランへアップグレードすると、最大500回/月まで利用可能です。
HubSpotはCanvaとシームレスに連携できます。Canvaで作成したビジュアルを、HubSpotに直接取り込むことが可能。広告やSNSなどのクリエイティブ作成から配信までが一貫して行えるようになり、ブランドイメージに統一感のあるコンテンツの運用を実現します。
Canvaの基本的な操作方法やHubSpotとの連携による活用術は、こちらの無料資料で詳しく解説しています。
出典:「Vivid AI: AI アバター作成 & AI 画像編集」をApp Storeで
Vivid AIは、台湾に拠点を置くCyberLink社が提供する画像・イラスト生成AIアプリです。「AI画像生成」機能で10文字以上のプロンプトを入力すると、短時間で画像やイラストが生成されます。参考画像をアップロードして、顔やポーズ、構図を指定することも可能です。
このほか、画像の風景部分のみを変更できる「AIシーン」や、人物の服装を自由にコーディネートできる「AIファッション」などの豊富な機能が搭載されています。
無料で利用できますが、1日あたりの生成回数や機能に制限があります。
出典:「PhotoDirector - 写真加工 & 背景加工アプリ」をApp Storeで
PhotoDirectorは、Vivid AIと同じくCyberLink社が提供している画像・イラスト生成AIアプリです。テキストから画像を生成するのではなく、画像をAIで編集する機能に特化しています。
例えば、不要な物体の削除や服装・ヘアスタイルの変更、写真の周辺を生成することによる画像の拡張といった編集が可能です。画像から動画を生成する機能も登場しました。
無料で利用できますが、有料プランへ加入すると全機能が開放され、1日あたりの利用回数も増加します。
出典:「Picsart 写真加工、AIイラスト & 動画編集」をApp Storeで
Picsartは、写真・動画の編集ができるモバイルアプリです。テキストから画像を生成できるほか、アップロードした写真の背景を生成する「AI背景」や、写真をもとに好みのアバターを作成できる「マイアバター」などの機能があります。
また、レタッチやコラージュ作成、ステッカー貼り付けなどの編集機能を備えているのも特徴です。生成した画像はそのままアプリ内で編集できます。
AI機能は無料で利用できますが、6日ごとに付与されるクレジットを消費する仕組みです。利用する機能によってクレジットの必要数が変わります。
出典:AIイラストくん
AIイラストくんは、画像生成AI「Stable Diffusion」の仕組みを活用したLINE botサービスです。LINEで公式アカウントに友だち申請することで利用できます。LINEアプリのトーク画面でプロンプトを送信するだけで、目的のイラストを作成できるのがポイントです。
出力できるイラストは、人物モード・イラストモード・風景モードの3種類に対応。「画像から作る」モードでは、アップロードした写真を水彩画風にしたり、年齢・性別を変更したりできます。
無料枠では累計3回までイラスト生成が可能で、それ以降は有料プランへの加入が必要です。
出典:「WOMBO Dream - AI Art Generator」をApp Storeで
WOMBO Dreamは、アート系イラスト作成に特化した画像・イラスト生成AIアプリです。プロンプトを入力し、パステル・浮世絵・アニメといったアートスタイルを決めると画像が生成されます。写真をアップロードするか、ライブラリから写真をピックアップすると、よりイメージに近いコンテンツを生成可能です。
アプリ内の説明は英語表記で、プロンプトの入力も英語で行う必要がありますが、日本語でプロンプトを入力すると自動で英語の候補が表示されるため、英語が苦手な方でも活用できます。
WOMBO Dreamの無料プランには回数制限がありませんが、生成された画像に透かしが入ります。有料プランに登録すると、透かしが削除できるようになり、利用できる機能も増えます。
出典:「Meitu 加工&カメラ&AIイラスト化アプリ」をApp Storeで
Meituは、AI機能を多数搭載した加工カメラアプリです。写真をさまざまな画風のイラストに自動変換する「AI加工」機能、髪型や体型を変更できる「AI髪」機能など、多彩な編集機能を備えています。誰でも簡単に高クオリティのセルフィー加工ができるのが特徴です。
イラストの生成機能も充実しており、テキストプロンプトを入力してイラストを創作する「文字でイラスト化」や、ラフや線画をアップロードするとAIが色塗りをしてくれる「スマートお絵描き」機能などを備えています。
基本機能は無料で利用可能です。有料プランに加入すると専用素材が開放され、広告も表示されなくなります。
出典:「AIイラスト - UniDream 無制限でAI絵描きアプリ」をApp Storeで
UniDreamは、テキスト・画像から多彩なビジュアルのイラストを生成できるモバイルアプリです。アニメや3Dグラフィックス、モノクロ線画、ピクセルアートなど、豊富なアートスタイルが用意されています。
テキストから画像を生成したり、アップロードした写真の画風を変更したりするほか、アップロード写真にメガネを追加したり、服装の色を変えたりといった編集も可能です。
有料プランへ加入すると、生成回数の制限緩和や透かしの削除、高画質画像の保存などができるようになります。
出典:Midjourney Prompt &Art Creator - Google Play のアプリ
Midjourneyは、品質が高いことで知られる有料の画像生成AIサービスです。精巧で自然な画像が生成可能で、商用利用も許可されていることから、ビジネスシーンでも活用されています。
ブラウザ版は、チャットサービスのDiscord経由でプロンプトを入力する形をとっていましたが、2024年8月にWebアプリ版が登場し、Discordに登録しなくても画像が生成できるようになりました。Webアプリ版はスマホからでも利用できます。
出典:「Microsoft Bing Search」をApp Storeで
Bing Image Creatorは、Microsoft社が無料で提供している画像生成AIサービスです。OpenAI社のDALL-Eシリーズを採用しており、高精細な画像が生成できます。
シンプルな操作画面が特徴で、入力箇所はプロンプトのみです。日本語にも対応しているため、初めての人でも使いやすいでしょう。
スマホでは、Microsoft社の検索エンジン「Bing」のアプリから利用可能です。他のWebブラウザアプリからもアクセスできますが、Bingならホーム画面から直接Image Creatorへアクセスできます。
ChatGPTは、OpenAIが提供する対話型AIチャットサービスです。チャット上で「○○の画像を生成して」などと依頼することで、OpenAI社の画像生成AI「DALL-E3」を利用できます。
ChatGPTによる画像生成は、日本語対応かつ自然な文章による指示が可能なのが特徴です。技法・画風の指定や、生成した画像に対する修正指示などが、すべてテキストで完結します。
無料プランでも画像生成機能が利用できますが、画像生成に対応しているモデルの利用回数には制限が設けられています。
出典:「Breeze」が新登場 - HubSpotのAIをご紹介
HubSpotは、営業・マーケティング・カスタマーサービスなどの業務支援を行う統合型のツールで、生成AI機能「Breeze」が標準搭載されています。
CRM(顧客関係管理)ツールが基盤となっており、HubSpotのSFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)などのツールとシームレスに連携可能で、業務のあらゆるシーンで気軽にAIが活用できます。
例えば、HubSpotの管理画面上でコラムを作成し、Eメールの文面やSNSへの投稿に変換するといった作業が簡単にできます。複数のアプリやブラウザを行き来する必要もありません。お客さまの95%から「使いやすい」と評価されている操作性の良さも強みです。
HubSpotのツールには無料プランがあるため、AI機能の「Breeze」とあわせて、ぜひ体験してみてください。
出典:Google フォト - Google Play のアプリ
Google フォトは、Google が提供している写真管理アプリです。Android端末ではデフォルトでインストールされており、iOS端末でも利用できます。
写真の整理において非常に高い機能を持つツールですが、2023年にAIによる「編集マジック」が登場。当初はGoogle のスマホ「Pixel」限定の機能でしたが、2024年5月からほぼすべての端末に開放されました。
編集マジックでは、ピントが合っていない写真の修正や背景の変更、人やモノの削除などが可能です。
出典:「Lightroom:写真&動画エディター・写真映像編集」をApp Storeで
Adobe Lightroomは、Adobeが提供する写真編集アプリです。デスクトップ版とモバイル版があり、モバイル版は無料で利用できます。アプリ内で撮影・編集・共有まで完結できるため、プロのフォトグラファーにも活用されているツールです。
生成AIを活用した機能には、不要な物体の削除、背景ぼかし、AIプリセットによる補正などがあります。写真を分析して人物の歯や肌を調整したり、背景を変更したりといった編集も可能です。
デスクトップ版の購入もしくはモバイル版有料プランへの加入で、より豊富な編集機能が開放されます。
生成AIアプリは、サービスによって操作画面や機能、規約で定められた利用範囲が異なります。導入するアプリを選ぶ際は、次の4点に注目しましょう。
テキストや画像から新たな画像を生成するというフローはどのサービスも共通ですが、アプリによってUI(ユーザーインターフェース)には差があります。
特に、画像・イラスト生成AIを初めて利用する場合は、できるだけ直感的に利用できるアプリを選ぶのがおすすめです。操作画面がわかりやすく、日本語の利用ガイドやサポートが充実しているアプリが使いやすいでしょう。
例えば、Bing Image Creatorは、日本語対応で機能や設定項目が少なく、入力欄に文章を入力するだけのシンプルな操作画面です。
生成される画像のクオリティも、生成AIアプリを選ぶ際の基準のひとつです。利用するモデルやアプリによって、得意とする画像のスタイルや解像度、描写の精度は大きく異なります。同じプロンプトで、まったく異なる結果が出力されることも珍しくありません。
例えば、次の画像はChatGPTとAIイラストくんで、それぞれ「毛糸で遊ぶ子猫」の画像を出力したケースです。
一般的に、最新の大規模モデルを使ったサービスほど高精細でリアルな描写が可能です。ユニークな画像を生成したい場合には、特定の画風に特化した独自モデルを提供しているアプリも検討してみましょう。
また、参考画像をアップロードして、スタイルや構図を指定できる機能があると、想定通りのイラストに仕上がりやすくなります。
1回あたりのコンテンツの生成スピードは、アプリによって大きな差があります。数秒程度で完成するものもあれば、数分かかるアプリもあるので、まずは無料プランに登録して実際に試してみましょう。
また、1回の指示で複数のコンテンツを提案してくれるアプリなら、より理想に近い画像・イラストを選択しやすくなります。イメージ通りに仕上がらず、何度もプロンプトを変更する手間も省くことが可能です。
ビジネスシーンでの活用を考えている場合は、商用利用が認められているツールを利用しなければなりません。商用利用の定義は解釈が分かれますが、企業が利用する場合はすべて商用利用にあたる可能性があります。
ブログやSNSの投稿に使う画像を生成する場合はもちろん、社内資料に使用する場合などにも、商用利用が認められているツールを選ぶと安心です。
商用利用の可否は、各アプリの利用規約で確認できます。サービスを利用する前に、必ず利用規約を一読しておきましょう。
生成AIアプリで画像を作成する際は、次の3点に注意しましょう。
生成AIは、過去に生み出されたコンテンツを学習して新たなコンテンツを作り出す技術です。そのため、既存の著作物と類似した画像・イラストが生成されるケースがあります。生成物に「依拠性」や「類似性」が認められると、著作権侵害とみなされるため注意が必要です。
依拠性とは、既存の著作物をベースにして作られていることを指します。著作権侵害にならないよう、生成AIアプリを利用する際に、参考画像として他人の著作物をアップロードすることは避けましょう。
また、参考画像を指定しなかった場合であっても、生成AIの学習データに著作物が含まれている可能性は否定できません。その場合は、既存の著作物との「類似性」が重要になります。
類似性とは、「既存の作品にどれだけ似ているか」という度合いのことです。作風が似ているだけで類似性が認められる可能性は低いですが、AIの生成物を見て「○○に似ている」と感じられる場合は、著作権侵害のリスクがあると考えた方が良いでしょう。
既存の作品に似た画像・イラストが生成されてしまったら、プロンプトを変更して生成し直すか、編集や加工でオリジナリティのある画像に作り直す作業が必要です。
どのツールにもいえることですが、生成AIアプリにも利用規約が定められています。トラブルを避けるためにも、ツールの利用範囲や禁止事項を把握しておきましょう。
商用利用の可否についても、多くの場合は利用規約内に記載があります。コンテンツの所有権や、知的財産権に関する項目を確認しましょう。なかには、特定の条件に当てはまる場合のみ商用利用が認められているケースや、アプリの開発元もその画像を使用・削除する権利を持っているといったケースもあります。
生成AIに関する法律は、2025年4月時点で、整備が進められている段階にあります。
2025年2月には、国内初の人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案(AI法案)が閣議決定されました。「AI技術の積極的な活用に努めることと、国・地方公共団体が実施する施策に協力することが利用者の責務である」とされています。
AI法案が、今後内容を変更して施行される可能性は十分にあります。利用者の義務や遵守事項を知らずに使い続けることはリスクとなるため、今後の動向に注意しましょう。
また、前述の通り、AIの生成物が著作権法違反となる場合もあります。文化庁が2024年3月に取りまとめたAIと著作権についてでは、AIによる生成物も人間が作ったコンテンツと同様の扱いになるとされています。生成した画像やイラストに明らかな依拠性・類似性がないことを確認したうえで活用しましょう。
画像・イラスト生成AIアプリは、誰でも簡単に画像やイラストを生成できるのが魅力です。
Webサイトや動画などに用いる素材、SNSのアバター、プレゼン資料の挿絵など、アプリを活用することで、必要な画像やイラストを効率良く制作できます。また、画像の一部差し替えや、ラフ画の完成形の提案など、AIからアイデアをもらうことで、制作業務の生産性向上にもつながるでしょう。
目的や用途に合わせて、今回紹介したアプリをぜひ使ってみてください。
HubSpotは、生成AIをコンテンツ制作に活用する際のコツや注意点を詳しくまとめた無料のガイドラインを提供していますので、ぜひダウンロードしてご利用ください。
HubSpotのBreezeは簡単に使える総合的なAIソリューション。
マーケティング、営業、カスタマーサービスの部門間連携を強化し、データを統合することで、ビジネスの成長を加速します。
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