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2023年2月15日

日本の営業に関する意識・実態調査2023の結果をHubSpotが発表

日本の営業活動における「無駄な時間」を金額換算すると約1兆円に
約6割の営業責任者/担当者が過去1年で「燃え尽き症候群」を感じたと回答

   CRM(顧客関係管理)プラットフォームを提供するHubSpot Japan株式会社(日本法人所在地:東京都千代田区、代表:カントリーマネージャー 廣田 達樹、以下 「HubSpot」)はこのたび、第4回「日本の営業に関する意識・実態調査2023」を実施しました。

 2022年2月に発表した第3回調査  ( 以下「前回調査」)では、新型コロナウイルスによる各種制約が常態化する中、特に買い手の意識に変化が見られ、購買において最も重要視するのは「信頼」であることがわかりました。その後コロナ禍の行動制限が緩和される一方、社会情勢とマクロ経済の状況は激しく変動し続けており、多くの企業の事業状況に影響を与えています。今回の調査は、このような社会情勢の中、日本の営業組織の状況を定点観測するとともに、営業の実態や意識の中で「変化するもの」と「変化しないもの」を明らかにし、これからの営業のあり方を考えることを目的として実施したものです。

【調査結果ハイライト】(一部抜粋)

  • 営業活動の無駄:「日本の営業活動における無駄な時間」は前回調査時から約1,500億円分増加約1兆円

  • マクロ経済環境が激しく変動する中でも、購買意思決定における最重要要素は昨年と変わらず「信頼できる企業であること」その重要度は一層増している。

  • 営業組織における社員教育やマネジメント面の課題は昨年と同じく「従業員のモチベーション維持」がトップ。約6割の営業責任者/担当者が過去1年で「燃え尽き症候群」やメンタルヘルスの不調を感じたと回答

    調査対象:ビジネスシーンにおける「売り手」(経営者・役員、法人営業組織の責任者/担当者)計1,545名及びビジネスシーンにおける商品やサービスの買い手(経営者/役員/会社員)計515名を対象に実施しました。調査実施概要は最下部に掲載

  本調査結果について、HubSpot Japan株式会社 シニア マーケティング ディレクター 伊佐裕也は次のように述べています。

HubSpotJapan_Hiroya

  「今回の調査では、社会全体で働き方改革やDXが推進されているにもかかわらず、営業活動の『無駄』な時間が増えているという矛盾が明らかになりました。これは、DXのあり方を今一度見直すなど、本質的な業務改善の必要性を示唆しています。また、昨今激しく変動するマクロ経済環境下でも、買い手は購買時に『価格』や『製品』以上に『企業に対する信頼』を重要視していることがわかりました。これは、営業組織が日々顧客視点で活動することが『信頼』に繋がり、信頼が長期的な事業成長をもたらすという、持続可能な事業のあり方を考えさせられるデータです。 情勢が大きく変動する今、メンタルヘルスが良好かつ生産性の高い組織づくりといった『変化』が求められる一方、カスタマイズされた顧客体験を提供し続けることなど『変わらず大切である』ことが浮き彫りになったことも今回の調査の興味深いポイントです。HubSpotは日本企業が力強く持続可能な形で事業を推進していけるよう、今後もCRMプラットフォームと質の高いサービスの開発に投資し、ユーザーコミュニティーやパートナーエコシステムの強化に努めてまいります」

 

【調査結果サマリー】
1.営業活動の無駄:「日本の営業活動における無駄な時間」は前回調査時から約1,500億円分増加約1兆円に。 

 営業担当者に「働く時間のうち無駄だと感じる時間の割合」を質問したところ、回答者全体の加重平均で「働く時間のうち22.37%を無駄だと感じる」という結果になりました。この「無駄な時間」を金額換算すると年間9,802億円と約1兆円にのぼり、2021年12月調査時の8,294億円から約1,500億円増加しています。

働く時間のうち無駄だと感じる時間の割合

※【時給】「令和3年分民間給与実態統計調査」(国税庁)の「1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与(年収)」の443万円を利用して算出
 【営業職就労人口】「令和3年賃金構造基本統計調査」小職種「営業・販売事務従事者」を「法人営業職」と定義
 【1日の労働時間】法定労働時間の8時間に、今回の調査で明らかになった営業担当者の1日あたり平均残業時間1.88時間を加えて算出


前回調査時から日本の営業活動における無駄が増えている要因として、以下3つの要素の増加が挙げられます。

  • 1日の労働時間 (前回調査:9.63時間 ⇨ 今回調査:9.88時間 0.25時間増加
  • 「無駄」と感じる時間 (前回調査:20.76% ⇨ 今回調査:22.37% 約1.6pt増加
  • 営業職就労人口 (前回調査:約76.7万人 ⇨ 今回調査:約80万人 約3.3万人増加

 また、営業に関する業務の中で「無駄」と思うものを売り手に選択式(複数回答)で尋ねたところ、1位が「社内会議(51.7%)」、2位が「社内報告業務(39.5%)」と社内のコミュニケーションや情報共有に関するものが上位となりました。


2. 定点観測調査「営業組織のデジタル化」と「好ましい営業スタイル」:訪問型営業とリモート営業のどちらでも良いと考える買い手は約4割で高止まり
【日本の営業組織のデジタル化状況】

日本の営業組織のデジタル化状況

 法人営業組織におけるテレワーク導入率は56.2%と前回調査時の59.6%から微減しており、コロナ禍の制約の緩和により出社ポリシーの見直しが進んだと考えられます。「電話・E メール・DM・ビデオ会議」などを用いたリモート営業の導入率は42.1%となり、前回調査の40.4%から微増しました。

 テレワークを活用した働き方や営業スタイルはコロナ禍を経て多様に変化する一方、CRMを導入している営業組織の割合は36.1%と、微増しながらも依然として低い数字が続いています。 自社の顧客管理の方法が「明確ではない・わからない」と答えた組織は31.0%と例年の調査結果と同水準であり、顧客データが組織内で適切に管理、共有されていない状態で営業活動を続けている企業が引き続き多い現状も明らかになりました。

【好ましい営業スタイル】
 「訪問型営業とリモート営業のどちらが好ましいか」を売り手と買い手それぞれに尋ねる設問について、過去3回の調査結果と合わせて回答の変遷を辿ったところ、売り手と買い手の変化にはそれぞれ特徴が見られました。

 売り手側はコロナ禍以前の2019年から「訪問営業の方が好ましい」と考える人が最も多く、全体の傾向は4年間で大きく変わっていません。一方買い手側は、「どちらでもよい(状況に応じて柔軟に対応してほしい)」が前回調査以降約4割で高止まりし、今回の調査では前回調査とほとんど変化がありませんでした。2020年から2021年はコロナ禍により買い手の意識の変化が大きかったのに対し、2021年から2022年は認識が落ち着いたことがわかります。

好ましい営業スタイル※2019年のデータは、2020年12月実施調査の回答者に前年の意識を振り返って回答された数値のため、参考値

 

3. マクロ経済環境が激しく変動する中でも、買い手の購買意思決定における最重要要素は「信頼できる企業であること」。その重要度は一層増している
 買い手に対して「ビジネスシーンにおいて、あなたはどのような印象を持つ会社のサービスや商品を購入したいと思いますか?」を尋ねたところ、前回調査同様、1位が「信頼できる(41.7%)」となり、2位の「製品の品質が高い(30.5%)」や3位の「価格に見合う製品やサービスを提供している(28.3%)を上回る結果となりました。また、「信頼」を選択した買い手は昨年より8.1pt増加しており、マクロ経済状況が厳しく変動している中でも、「価格」や「品質」を超えて「信頼」の重要度が増していることがわかりました。

ビジネスシーンにおいて、あなたはどのような印象を持つ会社のサービスや商品を購入したいと思いますか?
 さらに、「企業に対する信頼に繋がる要素」を複数回答で聞いたところ、「営業担当者が自社の要望を的確に実行してくれる(1位、59.4%)」「営業担当者が自社のことを真剣に考えてくれていると思う(2位、53.6%)」「企業として言っていることと実際の行動が一致している(3位、52.4%)などが上位を占め、前回調査と同じ順位となりました。経済状況が変わっても、買い手は自社との関わり方の「質」が信頼につながると考えており、信頼の築き方に変化はないことがわかります。


4.営業組織におけるマネジメント面の課題は昨年と同じく「従業員のモチベーション維持」がトップ。約6割の営業責任者/担当者が過去1年で「燃え尽き症候群」やメンタルヘルスの不調を感じたと回答
 売り手に、営業組織における社員教育やマネジメント面の課題を複数回答で尋ねたところ、前回調査と同様1位は「従業員のモチベーション維持(45%)」となりました。

 従業員の「メンタルヘルス」の実態を見てみると、営業現場で働く人の61.3%が「直近1年間で燃え尽き症候群やメンタルヘルス不調を感じたことがある」と回答しており、営業組織のメンタルヘルス向上は深刻な課題の1つであることがわかります。

過去1年で「燃え尽き症候群」やメンタルヘルスの不調を感じたことは

 一方、企業側の取り組みについて、「自分の会社が燃え尽き症候群やメンタルヘルスの不調の改善のために積極的に取り組んでいるかどうか」を尋ねたところ、「そう思う」または「ややそう思う」と答えた人は売り手の3割未満にとどまっています。さらに、「会社が行っているメンタルヘルス向上のための取り組みが実際に社員のメンタルヘルス向上に繋がっていると思うかどうか」を尋ねたところ、「そう思う」「ややそう思う」と答えた人は売り手全体の22.7%、営業担当者に絞ると16.7%にとどまり、営業組織のメンタルヘルスに対する取り組みやその効果について検討が必要なことが明らかになりました。

あなたの会社が燃え尽き症候群やメンタルヘルスの不調の改善のために積極的に取り組んでいるかどうか


5.「仕事量の多さ」と同等に、「挑戦機会の少なさ」や「組織からの期待・支援不足」も燃え尽き症候群の要因となる。メンタルヘルス向上のための「リスキリング」を企業として支援する動きが重要さを増す
 営業責任者と営業担当者に、「燃え尽き症候群」や「仕事のモチベーションの低下につながるメンタルヘルスの不調」の要