検索エンジン最適化
検索エンジン最適化

2020年版SEO戦略

検索エンジンの自然言語処理能力はますます向上しています。皆さんのコンテンツも、それに合わせて改良していくことが大切です。

Matthew Howells-Barby

顧客獲得担当ディレクター

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SEO(検索エンジン最適化)におけるあらゆる取り組みの基盤は、ユーザーエクスペリエンスにありまです、検索者が求める情報を提供しつつ、その点をいかに検索エンジンに認識させられるかどうか。これがうまくいけば、検索エンジンからユーザー自社のに有益な情報が流れるようになります。 

検索エンジンが検索意図をくみ取る能力は、ますます向上しています。つまり、きめ細かいコンテンツを用意すれば、かなり具体的なユーザーの質問にも的確に答えることが可能だということです。ウェブサイト上のコンテンツは長文の記事にせよ、ひと言だけの回答にせよ、ユーザーが抱える問題に対して何らかの解決策を示せなくてはなりません。HubSpot Researchの最新調査によると、マーケティング担当者の64%はSEOに積極的に投資していると答えています。私は、この数値はこれから大幅に増えると思います。それどころか、SEOの優先度はあらゆる業界でさらに高まっていくと考えています。

SEOに積極的に投資していますか?(調査対象:グローバル企業)

SEOの原則は年月が経ってもあまり変わっていないのに対し、解決すべき問題はコンスタントに変化しています。私たちは従来、ターゲットユーザーと検索アルゴリズムの両方のニーズを満たすコンテンツを作成する必要がありましたが、両者のニーズは必ずしも一致しているとは言えませんでした。しかし、最近ではGoogleの自然言語処理の能力がBERTのアップデートによって大幅に進歩したことで、アルゴリズムとユーザーとのニーズの差が縮まり、これまで以上にユーザーに重きを置いたコンテンツの作成が可能になっています。両者の要件は、おおむね共通していると言って良いでしょう。 

以降では、オーガニック検索での順位を高めるためにHubSpotが力を入れている最新分野をいくつか紹介します。ぜひ、これからのSEO戦略の参考にしてみてください。

SEOの技術基盤を継続的に整備する

多くの企業では、ウェブサイトのインフラ整備に注力してきたと思います。これからも引き続き、インフラの拡充に取り組みましょう。これは、SEO施策の下地を作る、優れたユーザーエクスペリエンスの実現に欠かせない取り組みです。具体的にはサイトのアクセス性、読み込み速度、情報アーキテクチャ、サイトの全体的な機能の強化を図るほか、コンテンツのデータ構造、内部リンク、その他のマークアップを適切に整備し、Googleが充実した検索結果を表示できるようにします。HubSpot Researchによると、特によく活用されているSEO戦略としては、読み込み速度の向上やモバイルへの最適化が挙げられます。

貴社ではどのようなSEO戦略を採用していますか? (%)

検索アルゴリズムは絶え間なく変更されており、変更回数は1日で数回に及ぶこともあります。しかし長い歴史の中で最も変化したのは、利用者の検索方法です。私たちはその変化を追っているにすぎません。継続的に安定したユーザーエクスペリエンスを提供し、戦略的なコンテンツ構造を維持し、技術的に信頼できるサイトを実現すれば、検索エンジンは必ず皆さんのサイトが検索者の目に留まることを後押ししてくれるはずです。たとえばHubSpotでは2019年、不要なサードパーティ製のスクリプトをHubSpotのすべてのドメインから取り除くと共に、そのようなスクリプトを追加、削除できる関係者をリストアップして一元管理しました。その結果、使用していないJavaScriptの量が大幅に削減され、ウェブページの読み込み速度が向上し、ユーザーエクスペリエンスを改善することに成功しました。

SEO対策で本当に考えるべきなのは、サイト上の大部分の構造をどう構築するかです。具体的には一貫性あるナビゲーションの配置、順序付き/順序なしリストの採用、ヘッダーや改行位置への配慮、スキーマなどを検討します。検索結果ページの豊富な機能を味方につけるには、HTMLコードを簡潔で明快にすることが最も効果的です。
Jackie Chu's Headshot

Jackie Chu氏

Dropbox、SEOリード

検索の意図を見抜き、本当に求められている情報を提供する

「検索」という行為をユーザー視点で捉え直し、検索者の意図を読み取りましょう。よく知られている従来のSEO対策は、いかに検索ボリュームが大きく、かつ競争の少ないキーワードを見つけ出すかにフォーカスしていました。これは現在でも間違いではありませんが、昨今の自然言語処理(NLP)技術の進歩によって検索語句の裏にある意図を突き止められるようになりました。 

たとえば、Googleの検索結果の精度は以前とは比較にならないほど向上しています。こうした進化を自社のコンテンツ計画に反映させるのです。 

わかりやすい例を挙げてみます。Googleで「London weather(ロンドン 天気)」と検索してみると、Googleは検索者がロンドン周辺にいると推測し、外出時に上着を持って出るべきかどうかまで教えてくれます(ちなみにロンドンの場合たいていは必要です)。検索結果には現在、気温に加えて週間天気予報も表示されるでしょう。

Screenshot of a search result for London weather

次に検索キーワードを少し変更して「London weather July(ロンドン 天気 7月)」にすると、Googleは検索者が7月のロンドン旅行を検討していると推測し、旅行サイトやフライト予約の情報が目に飛び込んできます。これらの多くは、Google自身が運営するフライト/ホテル予約サイトの情報です。このように、ほんのわずかにも思える語句の違いからユーザーの意図を理解できることには、きわめて大きな意味があります。

Search result for london weather july

このような検索クエリーの軽微な差異に対応するのは難しく思えるかもしれませんが、ユーザーの意図の違いに対処するために必ずしも新しいコンテンツを作成する必要はありません。そもそも皆さんのビジネスがこのような意図の変化とは関係がない可能性がありますし、既存のコンテンツを少しだけ変更したり分割したりすることで検索の意図をカバーできるケースも大いに考えられます。 

もう1つ例を見てみましょう。Instagramを使ったマーケティング手法について包括的に解説した、「Instagramマーケティングのトップ戦略」という長文のガイドを作成したとします。この場合、検索キーワードとして想定するのは「Instagramマーケティング戦略」です。ほんの2~3年前であれば、このガイドさえあれば、幅広い関連キーワードで高い検索順位を獲得できたと思いますが、現在はそれほどでもありません。この場合は長文のガイド1冊ですべての検索意図をカバーしようとせずに、ガイドを複数に分割して、ガイドの各パーツを独立させて短いブログ記事に作り変えましょう。こうすることで、さまざまな意図を持った微妙に異なる検索クエリーに対し検索ランクを上げやすくなります。 

HubSpotでも現在、作成するコンテンツの長さを数年前の半分に抑えることで、検索ボリュームだけではなく検索意図への最適化をいっそう強く意識するようにしています。 

アルゴリズムではなく、検索者に目を向ける

アルゴリズムの更新内容に左右されすぎるSEO戦略は避けるべきです。検索についてのGoogleとユーザーの目的は一致しています。つまり、頻繁に変わるアルゴリズムを追いかけることよりも、ユーザーの意図にコンテンツを合わせるほうが近道です。HubSpotの場合は、重要なキーワードを強調スニペットに表示させることを重視しています。強調スニペットに選ばれれば、検索結果ページで非常に目立ち、快適なユーザーエクスペリエンスを検索者に提供できます。具体的な方法についてはブログ(英語)で紹介しています。

キーワードのランキングにこだわる前に、安定した技術基盤を整えましょう。SEOの基盤は「クローリング」「インデクシング(インデックス作成)」「ランキング(ランク付け)」の3つの段階に分けられます。ウェブサイトがクローリングに最適化されていないと、検索エンジンはサイトのコンテンツにアクセスできず、その結果インデックスも作成されません。この部分がきちんとしていなければ、どんな努力も無駄になります。つまり、この観点ではランキングは最も重要性が低いと言って差し支えないでしょう。

検索者の意図をくみ取る検索エンジンの能力は日々向上しています。SEO戦略のあらゆる決定は、常にターゲットユーザーを念頭に置きながら下すようにしてください。まず、ランキングとクローリングというSEOの基盤を確立して、検索エンジンが皆さんのコンテンツを見つけ、検索者に提示できるようにしましょう。次に、ウェブサイトの技術インフラ(読み込み速度、アクセシビリティ、モバイルへの対応など)を改善することで、自社サイトのユーザーエクスペリエンスの向上に努めます。そして最後に、検索者の意図に応える記事を作成します。キーワードを詰め込んで検索順位を無理やり押し上げる時代は終わりました。現在は、本当の意味で検索者が主役です。

おすすめのSEOツール

Sitebulbは非常に優秀なウェブサイトクローラーです。ウェブサイトを分析し、ほとんどのマーケティング担当者が理解できる形で問題点や課題をわかりやすくまとめて指摘します。

SEOの最新動向をチェック 

今すぐ必要な取り組みは、ユーザーへの理解を深め、ユーザーが本当に求めている情報を提供することです。HubSpotでは、世界中の約3,400人のマーケティング担当者へのアンケートに基づく70項目以上の調査データとトレンドをレポートにまとめました。マーケティング担当者がSEO目標の達成にどのように取り組んでいるかがよくわかるので、ぜひ参考にしてみてください。下のバナーのダウンロードボタンをクリックすると、HubSpotの調査データを詳しくご覧いただけます。 

Matthew Howells-Barby

顧客獲得担当ディレクター

HubSpotのMatthew Howells-BarbyがSEOの最新トレンドに対する見解を示すと共に、ユーザーの意図に沿うことをSEO戦略の中心にすべき理由について詳しく解説します。

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