デジタル広告
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2020年版デジタル広告戦略

デジタル広告戦略の取り組みで今すぐやめるべきこと、始めるべきこと、これからも維持すべきことについて、HubSpotの顧客獲得担当マネージャーが解説します。

Josh Chang

顧客獲得アナリティクス担当マネージャー

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デジタル広告とひと口に言っても、デザイン、ターゲティング、最適化、分析など、さまざまな要素が存在します。オーガニックコンテンツのチャネルも溢れるほど存在しますが、以前のように多くの人にリーチするのは難しくなりました。その意味では、自社のコンテンツをソーシャル メディアフィードの先頭に表示させ、一番先に思い出してもらうことができるデジタル広告の利用は効果的だと言えます。ただし先ほど述べたように、その範囲が拡大しチャネルが多様化した今、デジタル広告を完全に把握することは簡単ではありません。

HubSpot Researchの最新調査では、マーケティング担当者を対象とした次のような質問がありました。「マーケティング予算のどのくらいの割合を、広告費に充てていますか?」

予算のどのくらいの割合を広告費に充てていますか?

皆さんの会社で広告への投資を考えている場合は、デジタル広告のトレンドを検討し、キャンペーンの過去データを分析して、最も効果的な広告費の使い道を見極めましょう。

デジタル広告については取り上げるべきことが山ほどありますが、この記事では主にランディングページの最適化、キャンペーン効果のさまざまな測定方法、ディスプレイ広告の良い使い方、悪い使い方について述べていくことにします。

2020年は単にクリック数を増やすことにとらわれず、デジタル広告キャンペーンの本当の価値をいかに引き出せるかが鍵となります。

検索連動型広告とSNS広告では、施策を継続するべき

検索エンジンおよびソーシャルメディアを通じた広告については、引き続き自社ブランドにとって効果のある施策を継続しましょう。Google、Facebook、LinkedIn、Instagramのいわゆる「BIG4」への投資を続けつつ、オンライン広告を通してユーザーにリーチする新たな機会を模索していくのです。最新のHubSpot Research調査では、北米の多くのマーケティング担当者が、最も高いROI(投資収益率)を達成したのはFacebookだと回答しており、僅差でGoogle検索が続いています。

使用する広告チャネルにかかわらず、大切なのは常に成果を測定することと、その結果を次の戦略に活かすことです。たとえばInstagramをチャネルとして使用するB2B企業の場合、キャンペーンを実施する前にInstagram上の「成功」の定義について必ずイメージを固めておく必要があります。Instagramを直接的な対話へと結びつけることを目標とするのか、ブランド認知度を向上させることに重点を置くのかなど、具体的な方針を決めておくべきです。

また、ランディングページとウェブサイトのテストは必ず実施してください。ランディングページとウェブサイトは、キャンペーン戦略上の主要な武器となります。これらを最適化し、広告効果を最大限に高めるための工夫が必要です。HubSpotではA/Bテストに関するアイデアを数多く提供していますが、コンバージョンアクションをテストする場合には、もう少し高度な取り組みが求められます。たとえば、フォームの項目数に関するテストを実施すれば、「項目が多すぎてコンバージョン率が低下している」ことを突き止められるかもしれません。逆にEメールアドレスのみなど、項目が極端に少なすぎると、得られるリード(見込み客)の質が全体的に低くなり、ランディングページが顧客獲得や会社の収益向上にあまり貢献していないことが判明するかもしれません。この点を踏まえつつ、次のセクションでさらに詳しく考察していきましょう。

クリックとコンバージョンの先にある価値とROIに集中する

クリックとコンバージョンのさらに先にある「価値」を評価することを、これからの目標にぜひ加えてください。

マーケティング担当者は、コンバージョンの実績数やコンバージョン単価(コンバージョンあたりのコスト)にばかり目を向けがちです。もちろん、私も例外ではありません。ただし、ここで大きな疑問点があります。コンバージョン単価が優れているかどうか、どうすればわかるのか?という問題です。コンバージョン単価の良し悪しは、コンバージョンの「価値」を測定しなければわかりません。そして、コンバージョンは1つひとつ価値が異なります。

この答えを得るために重要となるのが、キャンペーンの価値とROIをきめ細かく測定することです。その手始めとして、キャンペーンによって獲得に成功したコンタクトを見直してみましょう。HubSpotをご利用の場合は、パイプライン管理ツールまたは広告効果測定ツールでROIの測定や計算が可能です。

キャンペーンの価値を包括的に把握するためには、包括的機能を備えたマーケティング基盤の整備が不可欠です。そうすればGoogleやFacebookなどのチャネルからインプレッション、クリック、コストに関するデータを抽出し、自社のCRMシステムまたは収益管理システムに集約できます。

このような環境を整えることで、次のような分析情報が得られます。「500ドルのキャンペーン投資で100クリックと20件のコンバージョンを達成し(広告プラットフォームのデータ)、5件の購入によってXドルの収益または顧客生涯価値を得た(CRMのデータ)」。

もっとシンプルに、ウェブサイトのコンバージョン1件がビジネスにもたらす収益額を過去データから調べ、この金額を出発点にしても良いかもしれません。

こうしたアプローチによって広告の価値を算出することは、採用すべきアトリビューションモデルは何かといった広告の貢献度に関する疑問の解消にもつながります。この種の問いに答えるには、収益データなしでは何も始まりません。

収益やLTV(顧客生涯価値)の正確な額がわからない場合でも、できる限り近い推測値をとりあえず使用し、徐々に具体的な金額にしていけば良いでしょう。さらに細かく測定する場合は、コンバージョン数をチャネルごとに計測することを検討してください。たとえば、モバイル経由でコンバージョンに至った新規顧客の数を調べたり、FacebookやInstagramのコンバージョン数をそれぞれ個別に割り出したりすると良いでしょう。また、フォームの項目を増減させ収集する情報を変えることで、コンバージョン数がどう変化するかを測定するのも一案です。このようにコンバージョン測定の切り口を変えていくことで、多くの場合は広告のパフォーマンスや測定値も変化します。

肝心なのは、リードの獲得数だけを見ることから一歩進み、獲得したリードの価値を数値化することです。収益との関連性が高い測定指標や数値は、広告の効果を経営幹部に説明する際の証拠データとして非常に適しています。経営幹部は、インプレッション数やクリック単価の数値にはあまり関心がありません。知りたいのは、投資に見合った効果が出ているかどうかです。つまり、広告費の投資収益率すなわちROIについて言及できれば注意深く話を聞いてもらえますし、経営幹部の立場に立って話ができれば、予算の自由度も高まるでしょう。

ディスプレイ広告の使い方を再考する

コンバージョンを重視するなら、ディスプレイ広告からはなるべく早く脱却しましょう。

ディスプレイ広告は一般に、ビュースルーコンバージョン(訪問者が広告を見たものの、その時点ではクリックせず、後になってコンバージョンが達成されること)によって測定されます。ビュースルーコンバージョンは、会社の目標にもよりますが、クリックスルーコンバージョンほどの価値はありません。もちろん、ディスプレイ広告が不要だと言っているわけではないので、誤解しないでください。ブランド認知度を高めるためのキャンペーンについては、ディスプレイ広告は有効です。ただし、もしも皆さんがコンバージョンの手段として(ビュースルーによって測定される)ディスプレイ広告に頼っているなら、戦略を見直すべき時だと言えます。

繰り返しますが、ディスプレイ広告をやめるようすすめているのではありません。HubSpotの場合は、ブランドの認知度向上キャンペーン(直接的なコンバージョンが目的ではない)とパフォーマンスキャンペーン(直接的なコンバージョンが目的)との相関性に注目しています。たとえば、認知度向上キャンペーンに1,000ドルを投入したことが、パフォーマンスキャンペーンの成果に与える影響を分析することには意味があります。

ディスプレイ広告が、オーガニックトラフィックの増加やチャネル間のトラフィックの誘導に影響を及ぼす可能性もあります。広告を見た消費者がそのブランドに興味を惹かれ、ブランドのウェブサイトやソーシャルメディアのアカウントを検索することもあり得るからです。ディスプレイ広告を出稿した後にソースデータを確認してみて、オーガニックトラフィックの増加との相関性が確認できれば、ブランド認知度の向上のための広告とオーガニックトラフィックの量には関連があると推測できます。こうした相関関係を測定値から明らかにするには相応の技術が必要です。ただし、これができるようになれば、ディスプレイ広告によるブランドの認知度向上キャンペーンにどのくらいの価値があり、収益にどれだけ影響を及ぼすかを見極めやすくなるでしょう。

総合的に言えば、認知度向上キャンペーンとパフォーマンスキャンペーンの関係性を測定し、適度なバランスを実現することは難しいと言わざるを得ません。少なくとも、コンバージョン率を高めるための手段としてディスプレイ広告が最善の策でないことは確かだと言えるでしょう。ディスプレイ広告は、認知度向上のために使用するようにしてください。

もう1つ、なるべく早くやめるべきことがあります。それは、モバイルとデスクトップに同じ広告を出稿することです。私が知る限り、モバイルとデスクトップを同じメディアとして扱っているマーケティング担当者はいまだに多く、両者のコンバージョン率も同じだと考えられています。この認識はもはや実態とかけ離れています。有料・無料の全プラットフォームにおいて、モバイルとデスクトップは2つのまったく異なる広告だと捉える必要があります。

どちらを重視すべきか判断する際は、ターゲットユーザーがどこにいるかを考えましょう。もし皆さんの企業が(HubSpotと同じく)SaaSビジネスの会社なら、有望なユーザーのほとんどは、デスクトップ環境にいると考えて差し支えないでしょう。つまり、予算の多くをデスクトップ対策に振り向けるべきです。

これからのマーケティング活動では、リード=オーディエンスだと考える方が適切です。オーディエンスには、製品自体に関心がある人とコンテンツに関心がある人の2種類が存在します。それぞれに応じた適切なプロモーション戦略を立てましょう。コンテンツにしか興味を示していないオーディエンスに向けて製品を宣伝したくなっても、ぐっと我慢ましょう。
Cyberreason、Barb Gagne氏

Barb Gagne氏

デジタルマーケティング担当ディレクター

HubSpotの場合、成果が大きかったのはデスクトップ広告でしたが、たとえばEコマース企業やB2Cビジネスの企業であればモバイル広告が適しているかもしれません。この選択はオーディエンスが買い物をするチャネルに左右されます。たとえば消費者向けに靴を直販しているRothysでは、Instagram広告への投資を選択しています。

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おすすめのデジタル広告ツール

これからウェブ戦略とデジタル広告を強化するにあたっておすすめしたいのが、Supermetricsというツールです。Supermetricsはレポートと自動化の機能を提供する強力なツールです。APIコネクターを活用して数多くのチャネルに接続でき(コーディング不要)、GoogleスプレッドシートやGoogleデータポータル(旧データスタジオ)といった、よく知られる視覚化/レポート作成ツールと連携できます。このツールを使用することで、さまざまなチャネル(Google広告、Facebook、HubSpot、Googleアナリティクス)からデータを抽出し、1か所でまとめて分析できるようになります。柔軟性に優れており、複雑な環境を利用している場合は自社データベースから情報を抽出することも可能です。

デジタル広告の最新動向をチェック

ここで挙げたような戦略やアプローチを習得するのに最も効果的な方法はもちろん、実際に導入して試してみることです。これからは魅力的なメディアを活用して、オーディエンスにインパクトを与えるような広告キャンペーンの作成に注力しましょう。HubSpotでは、世界中の約3,400人のマーケティング担当者へのアンケートに基づく70項目以上の調査データとトレンドをレポートにまとめました。さまざまなマーケティング担当者の動向がわかるレポートをぜひご活用ください。下のバナーのダウンロードボタンをクリックすると、HubSpotの調査データを詳しくご覧いただけます。  

Josh Chang

顧客獲得アナリティクス担当マネージャー

HubSpotのJosh Changが、デジタル広告戦略に関する衝撃の事実を明かします。広告戦略に本気で取り組む皆さんは、ぜひご一読ください。

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