この事例の要約
- 既存のSFA・MAツールに起因するエンジニア依存・入力負荷・コスト課題を解消するためHubSpotを導入
- データ移行ではなくマスターデータの再設計をゼロベースで実施し、わずか1ヶ月で移行完了
- リードからの受注・成果が2〜3倍に増加、ツールコストも10〜20%削減
- 現場担当者が自己完結でPDCAを回せる営業組織へ変革
企業概要
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項目 |
内容 |
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会社名 |
株式会社デジタルアイデンティティ |
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事業内容 |
デジタルマーケティング事業(広告運用、DX支援、MA/SFA導入支援) |
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導入製品 |
HubSpot Marketing Hub、Sales Hub |
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移行前環境 |
既存SFAツール+MAツール |
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対象部門 |
コンサルティングDiv. 新規営業チーム |
導入前の課題:エンジニア依存と入力負荷の大きさがSFAの価値を損なっていた
デジタルアイデンティティ社では、HubSpot導入以前からSFAツールとMAツールを組み合わせた環境で営業管理を行っていました。しかし決算前のコスト見直しの際に、ツールを十分に使いこなせているかを改めて検証したところ、日々の運用で積み重なっていた根本的な課題が浮き彫りになりました。
課題1:変更・分析のたびにエンジニアへ依頼が必要
「この分析軸で見たい」「この項目を追加したい」といった現場のニーズに応えるには、毎回DX部門のエンジニアへ依頼する必要がありました。反映までに数営業日〜2ヶ月かかることもあり、スピード感あるPDCAが回せない状態でした。
課題2:スマホ非対応による入力漏れの悪循環
既存のSFAツールは基本的にPCでの利用を前提としたUIで、外出の多い営業担当者には使いづらい設計でした。スマホから手軽に更新できないため入力が後回しになり、データ精度が低下するという悪循環が続いていました。
また、「企業(Account)」と「見込み客(Prospect)」が自動で紐付かない仕様により、ターゲット企業の集計作業がアナログになっていた点も課題でした。
課題3:MAツールのフォーム数上限が業務を制約
Google Workspace基盤の同社にとって、既存SFAツールとスプレッドシートの連携の弱さも悩みの種でした。さらに利用していたMAツールのフォーム作成数が50個までという上限制約が、セミナー・資料ごとにフォームを量産したいニーズの前に致命的な壁となっていました。
サービス選定の決め手:非エンジニアでも使えるUI/UXとコスト、Googleとの親和性
複数のツールを比較検討し、以下の理由からHubSpotを選定しました。
① 直感的なUI/UX
エンジニアでなくても項目の追加やレイアウト変更が自分でできる。これは現場マネージャーにとって最も重要な判断基準でした。
② 既存ツールより低コスト
コスト削減が検討のきっかけでもあったため、同等以上の機能をより低コストで実現できる点を評価しました(結果として10〜20%のコスト削減を実現)。
③ Google Workspaceとの高い親和性
スプレッドシートとのリアルタイム連携が可能な点が、Googleベースの組織にとって大きな魅力でした。
④ カスタマーサクセスの評判
問い合わせ対応の質の高さと、サポート体制への信頼感も選定の後押しとなりました。
導入プロセス:マスター再設計ゼロベースで、1ヶ月で完了
導入にあたり、単純なデータ移行(マイグレーション)は行いませんでした。代わりに、これまでの使いづらさを根本から解消するマスターデータの再設計をゼロベースで実施。クロス分析ができる構造を最初から設計しました。
期間:1ヶ月で移行完了
担当者:シニアマネージャー1人(HubSpotの導入支援担当と二人三脚で実施)
範囲:コンサルティングDiv.の新規営業部門にスモールスタート
エンジニアではないマネージャーが1人で完遂できたこと自体が、HubSpotの使いやすさを示す実証例となりました。
導入による成果:データ活用の速度と精度が劇的に向上
定量的成果
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指標 |
導入前 |
導入後 |
|---|---|---|
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リードからの収益 |
基準値 |
2〜3倍に増加 |
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ツールコスト |
基準値 |
10〜20%削減 |
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リストアップ・集計工数 |
高負荷 |
劇的に削減 |
定性的成果:業務の変化
現場が自己完結できる組織に
プロパティの追加や画面レイアウトの変更を、担当者自身が即座に行えるようになりました。「人(役割)によって画面レイアウトを変える」ことで必須入力項目を明確化し、入力漏れを防ぐ設計も現場で実現しました。
モバイルで完結する営業アクション
モバイルアプリの使いやすいUIにより、移動中に通知を受けてその場でステータスを更新できるようになりました。毎朝9時(始業前)に入力漏れリストが自動通知されるフローを組み込んだことで、入力習慣が定着しました。
Googleスプレッドシート連携による独自ダッシュボード
HubSpotのデータを自動でスプレッドシートに書き出し、ダッシュボードを構築。HubSpotのアカウントを持たない社員でも、予算進捗や行動計画をリアルタイムで確認できる環境が整いました。

HubSpotの情報をもとに作成しているダッシュボード(数値はイメージです)
さらに「どのプロダクトを」「誰が営業すると」「どのくらいの確率で受注するか」を、予算レンジ別・担当者別でクロス分析できるようになり、データに基づいた意思決定が可能になりました。
インバウンドへの即時対応
会社とリードが自動で紐づくため、問い合わせが入った瞬間に「過去の取引状況」「重要ターゲット企業か否か」が判別可能に。営業アサインのスピードと精度が格段に向上しました。
今後の展望
SFA中心の活用から、次のステップとしてMarketing Hubの本格活用を計画しています。One to Oneマーケティングやリードナーチャリングに取り組む予定で、HubSpot AIを活用したメールクリエイティブの自動生成にも期待を寄せています。
「エンジニアに頼まなくても、自分でPDCAを回せる環境になった。これがHubSpotに移行して一番大きな変化です。」
― 執行役員 兼 社長室AI推進室 室長 花田 直人 様
HubSpotへのSFA・MA移行支援について
HubSpotへの移行でよくある質問
- Q. 既存のSFA・MAツールからの移行はどのくらいの期間がかかりますか?
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移行の規模や既存データの複雑さによって異なりますが、デジタルアイデンティティ社のように1部門・スモールスタートで始める場合、1ヶ月での移行完了も可能です。
- Q. 移行時にデータはそのまま引き継がれますか?
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データ移行(マイグレーション)は技術的に可能ですが、既存データをそのまま持ち込むより「マスターデータの再設計」を行うことで、より使いやすい環境を構築できるケースもあります。
- Q. HubSpotはフォーム作成数に上限がありますか?
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HubSpotではフォームの作成数に上限はなく、セミナー・資料ごとに自由にフォームを作成できます。
- Q. 既存ツールと比べてコストはどれくらい変わりますか?
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企業規模や利用プランによって異なりますが、デジタルアイデンティティ社では10〜20%のコスト削減を実現しています。
SFA・MAツールの移行を検討していますか?
HubSpotへの移行を検討されている方は、ぜひ一度営業担当者にご相談ください。お客様の現在の環境・課題・目標を伺いながら、最適な移行プランをご提案します。
本事例は、2025年12月に実施したインタビューをもとに作成しています。

株式会社デジタルアイデンティティ 執行役員 兼 社長室AI推進室 室長 花田 直人 様
